A federal bankruptcy judge has agreed to let the federal government take over the Philadelphia Orchestra’s pension plans, saying the orchestra was unlikely to survive if it tried to keep running them itself. The two pension plans, one for musicians and the other for staff members, cover about 200 people. Some musicians are likely to have their pensions reduced after the takeover. Although the government’s Pension Benefit Guaranty Corporation insures defined-benefit pensions, its insurance is limited. In the past symphony orchestras competed for and retained top talent by promising generous pensions, so musicians with many years in the Philadelphia Orchestra probably have earned benefits above the insurance limit. The orchestra, which filed for Chapter 11 bankruptcy protection in April, had asked for the government’s help with its pensions, saying that it could not raise money if donors thought their dollars might end up in a troubled pension fund. The pension funds are set up in a way that makes the orchestra bear all the investment risk. When the orchestra emerges from bankruptcy its musicians and staff members will have retirement plans under which they bear the investment risk.
【短信】破産申請のPhiladelphia菅の年金を政府が肩代わり [音楽時評]
Philadelphia Orchestra が破産申請したことは既報済みですが,連邦の破産問題判事が,もし,このままOrchesra が年金を負担し続けるとOrchestra は存続困難になるとして,楽員と理事会職員計200人の年金をUS Government が肩代わりするという決定をしたそうです.
それによって,多くの楽員の年金は減額になるだろうといいます.これまで,年金プランの有利さでトップ・クラス楽人をOrchestra 間で奪い合ったことがあったのだそうです.ただし,政府の年金は確定給付年金ですが,Philadelphia菅の年金にはリスクが The pension funds are set up in a way that makes the orchestra bear all the investment risk という給付確定年金ではありませんから,既に,Orchesra で年金権を得た人も,その年金給付は必ずしも安定を保障していないのです.
ただ,Orchetra は,減少してきた寄付金が,寄付者がお金がOrchestra ではなく,年金基金の方に回ってしまうのではという懸念 it could not raise money if donors thought their dollars might end up in a troubled pension fund から解放されて,寄付金増加に転じれば...という期待があるようです.
Arts, Briefly
U.S. to Take Over Orchestra’s Pensions
By MARY WILLIAMS WALSH; Compiled by DAVE ITZKOFF
Published: November 29, 2011
JTアートホール:向山佳絵子と仲間たち~「フィレンツェの思い出」を廻って [音楽時評]
11月29日,JTアートホールに,向山佳絵子と仲間たち~「フィレンツェの思い出」を廻って~を聴きに行ってきました.
何よりも強く印象に残ったのは,N響アワーなどで,指揮者の左前に座って弾いていて目立つ人だったN響の第2ヴァイオリン副主席大林修子さんが,室内楽の名手で,たいへん美しい音色で奏でる人だったことです.
メンバーは,
Violin: 山口裕之,大林修子
Viola: 井野邊大輔,飛澤浩人
Cello: 藤森亮一,向山佳絵子
と,いわば,N響の首席,副主席クラス5人と,向山佳絵子(藤森夫人)という気心の知れたメンバーが,JTアートホールのコンサートにしては1,2を争うくらいに練習とリハーサルを重ねて臨んでいたと思われました.
プログラムと演奏者は,
H.ヴォルフ: イタリア風セレナード 山口,大林,井野邊,向山
A.P.ボロディン: スペイン風セレナード 大林,山口,飛澤.藤森
E.ドホナーニ: 弦楽三重奏曲 ハ長調 Op.10「セレナード」 山口,井野邊,向山
チャイコフスキー:弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 Op.11より「アンダンテ・カンタービレ」
大林,山口,飛澤,藤森
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チャイコフスキー:弦楽六重奏曲 ニ短調 Op.70「フィレンツェの思い出」 全員
でした.
イタリア風セレナードは単一楽章ですが,歌曲を思わせる抒情的な曲でした.
スペイン風セレナードは,4楽章構成の弦楽四重奏曲を,リムスキー・コルサコフ,リヤードフ,ボロティン,グラズーノフが1楽章ずつ作曲したなかから,ボロディンの第3楽章をとったモノで,情熱的な彩りに溢れています.
ここで,大林さんの第1ヴァイオリンの美音にハッとさせられました.かつてN響C定期会員だった頃,彼女が開演前の室内楽公演に出ていたのを聴いたはずですが,いつもあまり早くは入場していなかったので,まともに大林さんの第1ヴァイオリンを聴いた記憶が残っていなかったのです.
チャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」の大林さんの第1ヴァイオリンは,まことに優雅で美麗な演奏でした.
調べましたら,彼女は結構室内楽演奏に加わっているようですから,次の機会をぜひ見つけたいと思いました.
ドホナーニの「セレナード」は5楽章構成で多彩な作品ですが,特に,緩徐楽章の第2楽章がロマンティックな響きを聴かせていました.
今夜の中心は,「フィレンツェの思い出」でしたが,気心の知れたメンバーが,十分に練習し,リハーサルを重ねて臨んだようで,充実した演奏でしたが,ロシア的な,重厚な叙情と仄暗い哀愁に対して,イタリア風の明るい情熱的な迸りが織りなす幅広い音楽を聴かせる名演だったと思います.