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シャネル・ネクサスホール:福原彰美(pf),谷口洸(vn) [音楽時評]

11月19日,シャネル・ネクサスホールに,福原彰美(pf)さんのソロと,福原さんと谷口洸(vn)さんとの duet を聴きに行ってきました.
福原さんが2011年のシャネル・ピグマリオン参加アーティスト,谷口さんが2012年のやはりシャネル・ピグマリオン参加アーティストだそうです.
ちなみに,お2人は,一時期,ジュリアード音楽院で共に学んだ時期があったそうです.

今日のプログラムは,
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 13 「悲愴」
フランク:      ピアノとヴァイオリンのためのソナタ イ長調 
といういずれも超有名曲でした.

福原彰美さんは,既に,実力を蓄えてこられて,これから本格的に羽ばたこうというレベルに達しておられるようで,「悲愴」の演奏は,残響がない環境でピアノの音の繋がりが悪く,乾いた演奏になりながらも,第2楽章緩徐楽章では,つい先日,フレディ・ケンプが東京都響とのコンチェルト協演のあとのアンコールに,そこを切々と弾いてしみじみとした情感を醸し出していたのを思い出させるような好演でした.

短い休憩後のピアノと ヴァイオリンのduet では,福原さんが実にしっかりとしたピアノ演奏でヴァイオリンを支えていたのですが,谷口さんの方が,随所にヴァイオリンの音程の正確な維持に欠ける部分を目立たさせてしまって,ちょっとアンバランスになっていたのが残念でした.ヴァイオリンの名曲中の名曲だけにちょっと惜しまれる演奏でした.

福原さんは,先に述べたように,既に一定のレベルに達して,これから周囲に認められていく段階に達していると思われますが,奇しくも,共に1984年生まれの谷口さんの方は,これから大いに正確な音程の確保・維持にさらに磨きをかけないと,どこかのアンサンブルの1員といったところから上を目指せないのではないかという懸念が残りました.

今日いっしょに貰ったチラシで,福原さんは12月21日に,すみだトリフォニーホールでリサイタルを予定されているようで,その成功を祈りたいと思います.
ただ,日本には,マスコミ,特にNHKが作り上げた複数の偶像的ピアニストがいますから,もっとのびのびとした今お住まいのアメリカ西海岸で,これから徐々に地位を築き,高めていかれることを大いに期待したいと思います.

 

 


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