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紀尾井ホール:萩原麻未ピアノ・リサイタル [音楽時評]

11月17日,紀尾井ホールに昨年のジュネーブ国際コンクールの優勝者,萩原麻未さんの日本デビュー・リサイタルを聴きに行ってきました.

萩原麻未さんは,広島で高校卒業後,フランスに留学し,現在もパリ国立高等音楽院等に在籍して室内楽の研鑽中だそうです.
これまで,日本のオーケストラのソリストとして何度か出演していますが,リサイタル・デビューは今夜になるそうです.

プログラムは大変意欲的なモノでした.
ハイドン:   ピアノ・ソナタ ニ長調 Hob.XVI-33
ベリオ:    5つの変奏曲
ラフマニノフ: コレルリの主題による変奏曲 op.42
        ※※※※※※※
シューマン: アラベスク
シューマン: 謝肉祭
でした.

1曲ごとの説明はやめますが,ちょっと緊張しておられたのが見ていて気の毒に思うほどでした.
ラフマニノフでは,超絶技巧的な変奏曲のところで音を外していましたが,あとはひかずに立ち直っていました.

緊張は別として,テクニックには十分に長けておられたようですが,シューマンのアラベスク,謝肉祭まで,全体にフレージングの間にほとんどまったくアクセントがついていなかったのが気になりました.
そのため,ドラマティックな曲の場合も含めて,なんとなく音楽全体に個性的なモノがあまり感じられませんでした.

その点では,同年代でもっと早い若年から海外生活を送って,今,売り出し中の複数の日本人若手ピアニストに一歩二歩譲っているのではないでしょうか.

現在も留学中とのことですから,さらなる研鑽を切に祈りたいと思います.

 

 


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