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新日フィル:サントリー定期,マリン指揮,コバチンスカヤ(vn) [音楽時評]

3月21日に新日フィルのサントリー定期へ行ってきました.
初めて聴く指揮者イオン・マリン,前にN響で聴いたモルドヴァ出身の女流ヴィオリニスト,パトリツイア・コバチンスカヤで,

バーンスタイン作曲: ミュージカル「キャンディード」序曲,
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第2番op63,
      ※※※※※※※
プロコフィエフ:交響曲第5番op.100

を演じてくれました.

マリンはルーマニヤ出身で1986年に亡命,オーストリア国籍を取得,ザルツブルグ・モーツアルテウム,シエナのキジアーナ学院で学んだ.ウイーン国立歌劇場の常任指揮者を4年勤め,そのご世界の主要歌劇場を客演指揮,その傍ら,ロンドン交響楽団を中心に各地の主要オーケストラを指揮,2006-7年にはロシア・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者を経た.小柄ながらエネルギッシュな指揮をする人です.

バーンスタインのキャンディードは楽しく明るく活発に指揮しました.
プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番は,コバチンスカヤが1834年製というヴァイオリン,ブレッセンダのたいへん柔らかな音を響かせて,正確なテクニックを駆使して好演してくれました.冒頭からヴァイオリンの聴かせ場の多い曲ですが,最初の出だしの哀愁を帯びたメロディは頭から離れない美しさでした.アンダンテ・アッサイで始まるロンド風の第2楽章のヴァイオリン・パートも美しい音を,リズミカルに響かせていました.
第3楽章はエネルギッシュな舞曲で,ヴァイオリンが多彩な音をリズミカルに繋いで見せ場たっぷりに短いソロで全曲を終えました.素晴らしい好演だったと思います.
アンコールに答えて,彼女の即興的な短いコミカルな曲が弾かれ,彼女の多彩な才能を見せつけてくれました.

休憩後のプロコフィエフの第5番は,比較的有名な曲ですが,随所に懐かしげなメロディを散りばめた第1,2楽章のあと,やや陰影を帯びた第3楽章がドラマティックな盛り上がりを作り,終楽章で,楽曲冒頭の主題が再現されて,多彩なメロディ展開のうちに曲が閉じられます.
オーケストラはこの曲に大変力を入れて好演してくれました.

マリン,そして特にコチンスカヤには是非再来日を期待したい気持が強く残りました.

まだ今シーズンはあと3回,興味深い曲,ショスタコの11番,シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」,ブルックナーの4番「ロマンティック」が並んでいて,楽しみです.
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