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トッパンホール:若き俊英マーティン・ヘルムヘン(p) [音楽時評]

3月23日,トッパンホールでドイツの新鋭マーティン・ヘルムヘンのピアノ・リサイタルを聴いてきました.

ヘルムヘンは1982年生まれといいますからまだ26歳でしょうか,たいへん若い誠実でしかも鋭気溢れるダイナミックな演奏を聴かせてくれました.

プログラムは,バッハのパルティータ第6番全曲,トッカータ,アルマンド,クーラント,アリア,サラバンド,ガボット,ジーグといった古典舞曲群.
メシアンの《幼な子イエスに注ぐ20の眼差し》より,
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シューベルト,ピアノ・ソナタ第20番D959,
リスト,スペイン狂詩曲 S254,
アンコールに,バッハのパルティータ第1番からサラバンド,
         ショパン,前奏曲集から24番
でした.

彼の演奏は楽譜に忠実に整然としていますが,彼の情熱の迸りが彼の演奏をダイナミックなモノにしています.
バッハの次にメシアンが演奏されましたが,「沈黙の眼差し」「ノエル」「高き御空の眼差し」は楽譜をめくりながら,きわめてダイナミックに演奏され,これぞメシアンと感嘆させる演奏でした.

今日の圧巻はシューベルトのピアノ・ソナタ第20番で,きわめて整然としたなかにゆたかな叙情性を織り込んで,美しく演奏されました.第1楽章では主題が転調を繰り返して色彩豊かに展開され,第2楽章はことのほか哀愁を帯びた歌曲を思わせるメロディが繰り返され,第3楽章スケルツオを挟んで,第4楽章では再び最初の主題が繰り返して現れ,さわやかな曲が締めくくられました.

リストのスペイン狂詩曲では,華やかなテクニックを散りばめたいくつもの舞曲がきらびやかに展開されました.

将来の大成が大いに期待されるドイツの新鋭として,今後の発展を大いに期待したいものです.
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