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3月上旬:小山実稚恵,テ・カナワ,エレーナ・フィンク,仙台フィル&小菅優他 [音楽時評]

3月1日に第一生命ホールで,音楽はじめの一歩という1時間のランチタイム・コンサートがあり,小山実稚恵がショパン,シューマンをはじめポピュラーな曲を並べて,1時間通して,ピアノの名曲を楽しませて貰いました.ただ,11時半からだった所為もあって,中老年婦人が多くて,あまり勤め人がランチタイムに聴きに来たというのが少なかったようですが,一工夫すればトリトン・プラザ界隈のサラリーマン,OLも集められるのではないでしょうか!

3日の土曜日には仙台フィルハーモニー交響楽団の東京公演がトリフォニーでありました.私の予想外だったのは,昨年4月からフランス系のパスカル・ヴェロが音楽監督になっていて,のこのこと開演25分前に会場に入ったら,ヴェロ氏がステージでプレトークをやっていたことです.印象に残ったのは,大曲にサンサーンスの交響曲第三番を選んだのは,自分が好きな曲だのに仙台にはパイプオルガンのあるホールが無くってやれないからこの機会に選んだといっていたことです.
東京には余るほどありますよね.池袋の芸術劇場などは,バブル期に大金をかけてご丁寧にバロックとモダーンの2つが回転式で入れ替わることになっています.本来パイプオルガンは教会やホールが楽器の一部で,そこに馴染む音が出るように1年以上かけて調整するモノだといわれるのに,ご丁寧に東京でひとつのホールが2つもパイプオルガンを持つなど,どう考えても製作者にお金をふんだくられたと私は思っています.
私は仙台フィルを聴きに行ったというより,小菅優がモーツアルトの協奏曲K.595をやるのを聴きに行ったのですが,これは清純な名演を聴かせてくれました.
サンサーンスはNHKで聴いたことがありますが,トリフォニーホールの方が真正面からオルガンが響いて好演だったと思います.

4日の日曜日に14時から国立博物館表慶舘で東京オペラの森音楽祭の一環として,加藤知子のバイオリン独奏がありました.ベートーヴェンの「春」やエルガーの「愛の挨拶」,クライスラーの「愛の悲しみ」「愛の喜び」など名曲を,チヤイコフスキー・コンクール2位入賞の実力者がすっかり堪能させてくれました.
ただ,表慶舘が1909年創立の3階建てドームの会場で,暖房がなかったため入口でホッカイロを配られたのですが,外界の暖かさとは裏腹にひどく底冷えして本当に困りました.

6日には武蔵野でエレーナ・フィンク のソプラノ・リサイタルを聴いてきました.これはフィンクのコロラチューラの美声でブラームス,シューマン,モーツアルト,シュトラウスなどドイツ・リードを聴きに行ったというより,昨年末のNHK響の第9で楽員の見下した扱いに苦労した上岡敏之がピアノ伴奏をしたのが,上岡の実力の幅を鮮明に示してくれました.
上岡は今秋自分の楽団,ヴッパーダール交響楽団を率いて来日し,モーツアルトのピアノ協奏曲21番と23番を弾き振りするということですからたいへん楽しみです.

9日にはキリ・テ・カナワのリサイタル公演,日本サヨナラ公演をサントリーホールへ聴きに行ってきました.ピアノの蓋をごく細め,一番低く開けて,声を張り上げずに静かにしかししっかりとした声量でモーツアルト,シュトラウス,プーランク,プッチーニなどの小品を並べて昔ながらの美声を聴かせてくれました.アンコールを3曲やってくれたのですが,最期の「私のお父さん」では割れんばかりの拍手が続きました.いっそうのご自愛を祈りたいと思います.

実は明日も東京オペラの森の古部賢一の「楽器の進化~レクチャー・コンサート」に行くのですが,オーボエの進化を知る絶好の機会と期待しています.


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