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サントリーホール:読響サマーフェスティバル三大協奏曲の夕べ [音楽時評]

8月19日,サントリーホールに読売日本交響楽団サマーフェスティバル三大協奏曲の夕べを聴きに行ってきました.通常のコンサートは序曲等の短い曲+協奏曲が前半にあって,後半に交響曲といった具合ですから,一般には19時開演です.しかし,今夜は協奏曲3曲でしたから,開演が30分早まって,18時半でした.別に三大交響曲の夕べというのもあって,同じように18時半開演になっています.結構,1曲目を聞き逃して入ってきた人がありましたが,それだけお値打ちなコンサートですから,きちんと予定されるとよいでしょう.

三大協奏曲のソリストは,若手実力者を揃えた堂々たる顔ぶれでした.                              ヴァイオリン: 川久保賜紀(2002年チャイコフスキー・コンクール1位なしの2位)                        チェロ:     遠藤真理(第72回日本音楽コンクール1位ほか,ヨーロッパで入賞歴)                     ピアノ:     三浦友里枝(第47回マリア・カナルス国際コンクール,ピアノ部門第1位)                    といった俊英揃いです.

プログラムは, 
                                                                 メンデルスゾーン:  ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64 
ドヴォルザーク:   チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
                  ※※※※※※※※                                                                             チャイコフスキー:  ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23 
でした.

前半の2曲はメンコン,ドボコンといえば理解される超有名曲ですし,チャイコフスキーはヴァイオリンもピアノも有名なのでチャイコンでは通じませんが,チャイコフスキー・コンクールの本選課題曲であり,今年のピアノ部門優勝者トリフォノフが,9月にサントリーホールでのガラ・コンサートで弾くのが今から楽しみです.

超有名曲ですからいちいち説明しませんが,まず,3曲とも転調は別として基本が短調だったことに気がつきましたし,3曲とも急ー緩ー急の3楽章構成です.                                                   メンデルスゾーンの曲では冒頭の2小節目からソロ・ヴァイオリンの美しい旋律が入ります.形式美と旋律美の絶妙なバランスで終始し,しばし美しいメロディが忘れがたく耳に残ります.

ドヴォルザークの協奏曲は,完成はアメリカからチェコに帰国してからで,ボヘミヤの情緒が色濃く散りばめられています.チェロのソロ・パートは比較的高音に傾いて,たいへん美しい旋律であまりにも有名です.この曲の名手ヨーヨーマが今秋この曲を東京で弾く予定が組まれています. 
川久保さんのヴァイオリンの後だっただけに,チェロの音量の豊かさが耳に残りました.ただ,この曲で読響の管楽器が時に不揃いだったのが残念でした.

ピアノ協奏曲は,華麗さとメランコリーが同居した名曲ですが,ピアノの手の動きがかなり速く活発に鍵盤を駆け巡るのが見る目を楽しませます.やや小柄な三浦さんには,鍵盤を一杯に使った打鍵がなかなか大変だったと思います.

3人共,名演だったと思いますが,必ずしも個性的ではなかったと思います.                           その点では,繰り返しになりますが,20世紀の巨匠のレベルを超えたといわれる21世紀の逸材,トリフォノフが,この曲をどう弾きこなすのだろうと考えさせられました.

 
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