サントリーホール:フェスティバル・ソロイスト [音楽時評]
6月19日に,サントリーホールのChamber Music Garden の最終日,お馴染みのフェスティバル・ソロイスト3人に先日シューベルトとベートーヴェンの最晩年の曲をソロ演奏したメナヘム・フレスラーが長年やってきた室内楽奏者として参加した演奏会を聴きに行ってきました.
竹澤恭子(vn),豊島泰嗣viola),堤剛cello)というソロイスト・メンバーに,+プレスラーpf)という顔ぶれでした.
プログラムは, シューマン: ピアノ四重奏曲 変ホ長調 op.47
ドホナーニ: 弦楽三重奏のためのセレナード ハ長調 op.10
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ドォルザーク: ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 B162 でした.
今夜のプレスラーは長年の室内楽奏者としての経験をフルに生かして,3人にぴったり寄り添った好演をしていました.弦楽器の3人も,長年のフエスティバル・ソロイスト・メンバーとして,たいへん息のあった好演を示し,全体として,味わい深い演奏会だったと思います.
シューマンは良く指摘される構成力の希薄さが,この曲でははっきりとした構成が見られて,たいへんまとまった美しい曲になっていますが,3人の実力者のお陰で,見事な好演でした.
なかでもフエスティバル・ソロイストだけで演奏したドホーナーニの弦楽三重奏が,後期ロマン派の5楽章構成の名曲ですが,ずーっと聴いてきたグループの久しぶりの好演で聴くことが出来ました.
ドヴォルザークも,民族的動機を含んだ,美しいメロディに満ちた彼らしい名曲で,今夜の圧巻といって良いたいへんな藻リ上がりを作っていました.とりわけ竹澤恭子の好演が光りました.
次の,フエスティバル・ソロイストの演奏会に期待が高まって,楽しみになりました.
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