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武蔵野文化小ホール: 楽しいルッツ・オルガン・リサイタル [音楽時評]

2月4日,武蔵野文化会館小ホールにスイス生まれのルドルフ・ルッツ・オルガン・リサイタルを聴きに行ってきました.歴史的即興演奏法の名手といわれる人です.

プログラムは,クロス・オーバーを地で行ったもので,                            ビートルズ:『レット・イット・ビー』のテーマに基づく即興                                マッテソン:ハンブルグ大聖堂オルガニスト採用試験課題
           Ⅰ.移調を伴う前奏曲,  Ⅱ.聖歌に基づくフーガ(半音階対旋律を伴って) 
       Ⅲ.聖歌に基づくパルティータ,  Ⅳ.パッサカリア(バス声部上の)    
 
           ※※※※※※※※    
メンデルスゾーン: コラール「血潮したたる主のみかしら」に基づくソナタ ニ短調(ルッツ補完)  
与えられたテーマによる即興 
という異色のプログラムでした

まずビードルズを古楽器というべきオルガンでかなり自由に弾きまくって,オルガンの持つ現代性を最初から実感させてくれました.

マッテソンでは,「移調を伴う前奏曲」で,アシスタントが客席を回って,長調と短調の色違いの紙を選んで貰ったのですが,丁度対になる長調,短調が選ばれて,反って長調と短調の違いが鮮明に弾き分けられていました.Ⅱ,Ⅲ,Ⅳでは,時に歌を交えてオルガンが演奏されて,聴衆の理解を助けていました.

メンデルスゾーンでは,未完に終わった曲だったようで,途中からルッツが補完した部分が,ちゃんとアナウンスされて,無理なく一体性を保っていました.

最後に与えられたテーマは,日本の歌曲3曲から聴衆の挙手で2曲が選ばれたのですが,「雪」「桜」が選ばれて,これらがいかにも重厚なオルガンに乗せて演じられ,ここでもオルガンの現代性を実感しました.

アンコールにブラームスの「子守歌」が綺麗に演奏されました.

とにかくオルガンの即興演奏の楽しさを満喫させる素敵な演奏会でした.


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