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芸術劇場:読売日響マチネー・シリーズ;カルマー指揮,河村尚子 [音楽時評]

河村尚子のフアンになってしまって,東京芸術劇場へ読売日本交響楽団のマチネー・シリーズを聴きに行ってきました.指揮はオーストリアのカルロス・カルマー,ピアノ・ソロにドイツから一時帰国した河村尚子でした,                   
昨日のサンサーンスなどのかなり重たい演奏と違って,実に楽しく聴き応えのある演奏会でした. 

プログラムは,このオーケストラの名曲シリーズと同じ内容で,                          スメタナ:交響詩《モルダウ》(連作交響詩《わが祖国》から)                           グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調 作品16   
         ※※※※※※※※※※                                                                     ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界から》 ホ短調 作品95                      でした.

名曲揃いで曲の説明は要しないでしょうが,カルマー指揮下の読売交響楽団は素晴しい澄んだ弦の響きと五弦のバランスを維持して,かつ管楽器が確かな音で朗々と音を響かせて,五弦とまことによいバランスを保っていました.

カルマーは,南米生まれのオーストリア人で,基本的にはオーストリアで勉んだ人で,実に的確で見事な指揮振りでした.モルダウの演奏からそれは発揮されて,全く久しぶりに聴くゆったりした名演でした.

グリーグは,河村尚子がまったく自由に指揮の上に乗って,まことに見事な演奏を展開していました.特に印象的だったのは,オーケストラはピアノが入っても音を遠慮しないのですが,河村尚子も自己主張する部分は別として,あとは楽々とオーケストラに溶け込んで弾いていたことです.     ピアノ協奏曲はもともとそれでよいのだと実感しました.

名曲コンサートの定番の「新世界」がまた鮮やかな抑揚が付けられて,まことに格調高い名演奏を聴かせてくれました.オーボエ・セクション,とりわけイングリッシュ・ホルンの響きがまことに見事でした.なお,program note では,「家路」として親しまれている美しいメロディは,最近の研究で,実はロングフェローの詩に基づくオペラの下書きからとられたもので,実際は「花嫁の死」の場面の音楽なのだそうです.

とにかく改めて読売日響のレベルの高さに感心しました.来月も神尾真由子目当てに2度アルブレヒト指揮の読響を聴きに行く予定ですが,今から楽しみが増しています.


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