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サントリーホール:J.ジャッド指揮,都響B定期公演 [音楽時評]

4月15日,サントリーホールにイギリスのJames Judd 指揮,東京都交響楽団4月B定期公演を聴きに行ってきました. 

どうしても4日前,4月11日の同じ東京都響プロムナード公演と比較してしまうのですが,                      プロムナードはドイツの若手指揮者+コンマスだったのが,                                              今夜の定期は,イギリスの熟練指揮者+ソロ・コンマス矢部達哉でした.恐らくプロムナード公演より,練習時間も余計に取ったのではないでしょうか.                                                           今夜の方が演奏が格段に充実していました.それで,チケット代はB定期が1列前の同じ席番なのに,シルバーで¥570プロムナードより安いのですから分らないものです.

プログラムは,                                                                        V.ウイリアムズ: アリストファネスの喜劇「すずめばち」への序曲                                         ウオルトン:    ヴィオラ協奏曲      Viora; 今井信子                                                                     ※※※※※※※※                                                                                             エルガー:     交響曲第1番 変イ長調 作品55                                                                  とオール・イギリス作品でした.

ウイリアムズは,ギリシャ喜劇への付随音楽として作曲されたモノですが,ギリシャとは無縁にイギリス民謡を取り入れた作品になっています.蜂が音を立てて飛ぶ様を表した序奏に始まって,いくつかの民謡風主題を組み合わせた興味深い作風ですが,なかなか好演されました.

ウオルトンのヴィオラ協奏曲は,数少ないヴィオラ協奏曲の傑作とされる作品だそうですが,今井信子がまことに優しげな美音を響かせて、緩-急-急の3楽章をヴィオラの表現力を駆使して見事に弾いてくれました.最後は,盛り上がった後,冒頭主題の回顧で静かに終わりました.                                                            盛んな拍手に答えて今井信子は      ヘンデル(細川俊夫編)     :「私を泣かせてください」をアンコールしてくれました.

エルガーの交響曲第1番は,イギリス人作曲家の最高傑作とされる交響曲ですが,作品はドイツの指揮者ハンス・リヒターに捧げられ,彼によって初演されて好評をはくし,世界的に広く演奏される様になったといわれます.
「高貴で簡潔に」と記されたモットー主題が全曲を通じて循環風に現れます.第1楽章では劇的な第1主題と抒情的な第2主題が展開され,第2楽章でも性格の異なる2つの主題に川の流れのような軽妙な主題が加わっています. 
第3楽章緩徐楽章はやはり2つの主題が使われていますが,たいへん優美で長い第2主題が印象的です.
第4楽章では性格を異にした3つの主題が争うように展開されますが,モットー主題が循環して現れ,華麗な終結を迎えます.ジャッドにとってお得意の曲らしく,エルガー第1番のまことに優れた演奏を聴かせて貰いました.

都響の4月A定期では,同じ指揮者で,エルガーの第2番交響曲が演奏される様ですから,ご関心の方にはお奨めします.

 


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