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トッパン:ブレガルディエン(tn)のシューベルト,シューマン名唱 [音楽時評]

3月5日,トッパンホールにドイツのリリック・テナー,クリストフ・ブレガルディエンのハイネ作詞,シューベルト,シューマン作曲歌曲集を聴いてきました.ピアノ伴奏は,同じドイツのピアニスト,ミヒャエル・ゲースでした.

プログラムは,                                                      シューマン:「海辺の夕暮れ」「憎悪しあう兄弟」「きみの顔」「きみの頬を寄せたまえ」                              「2人の擲弾兵」ぼくの恋はかがやき渡る」「僕の馬車はゆっくりと行く」                     シューベルト:歌曲集《白鳥の歌》 D.957より                                                「漁師の娘」「海辺で」「都会」「影法師」「彼女の絵姿」「アトラス」                                  ※※※※※※※※                                                                         シューマン:歌曲集《詩人の恋》全16曲                                    でした.

ブルガルディエンは,リリック・テナーといわれますが,イギリスの同じリリック.テナー,イアン・ポストリッジと較べると,後者の「繊細な声の美しさ」よりもかなり声が太くて,比較的バリトン寄りといえるようです.その分,ブルガルディエンの歌唱の構成力,表現力には,ポストリッジに勝るとも劣らないモノがあると思いました.

最初のシューマンの中に,昔中学か高校の音楽の時間に習った「2人の擲弾兵」があって,たいへん懐かしく思いました.そして,この曲がこれほど深い味わいを持った曲だったことを知って,たいへん幸せに思いました.

歌曲集《白鳥の歌》は演奏会で何度も聴いたことがあり,ほとんど記憶にあるので,その抜粋も非常に楽しめましたが,ブレガルディエンはかなりドラマティックに聴こえました.「影法師」「アトラス」で見せた豊かな表現力はまことに見事でした.

歌曲集《詩人の恋》全16曲はまことに圧巻でした.かなりこの歌曲に慣れた感じの伴奏者ミヒャエル・ゲースに,やや誇張が目に付きましたが,ブルガルディエンはまことに冷静,着実に味わい深く歌ってくれました.特に,少し長い終曲「むかしの,いまわしい歌草を」を本当に深々と歌って,やや長いピアノのコーダもまことにしんみりと弾かれて,締めくくられました.                 私は『人間は最高の楽器』と考えているのですが,いつものように,こうしたエンディングのあとはアンコール曲を聴きたくないので,拍手は続いていましたが,《詩人の恋》で席を立ちました.

これからまだ東京および近郊で「美しき水車屋の娘」(3/9白寿ホール)と「冬の旅」(3/7所沢市民文化センター)が予定されているようですから,1度聴いてみたい方はどうぞお出かけ下さい.

 


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