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サントリーホール:ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団,レーピン(vn) [音楽時評]

12月2日,サントリーホールにゲルギエフ指揮,ロンドン交響楽団,ワディム・レーピン(vn)に行ってきました.

今日は,天皇,皇后,両陛下が休憩後の1曲だけ聴きに入ってこられました.前半を聴かれなかったのは誠に残念です,

今夜のプログラムは,オール・プロコフィエフで,
プロコフィエフ: 交響曲第1番 ニ長調 op.25 「古典交響曲」
プロコフィエフ: ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19
アンコール:パガニー;ベニスの謝肉祭
        ※※※※※※※※
プロコフィエフ: 交響曲第6番 変ホ短調 op.111
   アンコール:プロコフィエフ;組曲『ロメオとジュリエット』第1番 op.64bisから「タイボルトの死」
でした.

最初の古典交響曲は,前に第5番といわれたことがあったと思いますが,斬新さを盛り込んでいますが古典主義的な曲です.随所に美しい主題メロディを盛り込んでいるので,たいへん馴染みやすい曲で,1度聴いたら忘れられないメロディーをふんだんに織り込んであります.
ゲルギエフはダイナミックな指揮で有名な人ですが,見ているとほとんど身体を使わないたいへん省エネ方式の指揮です.しかし,ぴたっとツボを押さえていて,両方の腕,両方の手を使い分けて非常に的確な指示をしていました.
これほど耽美な古典交響曲を聴いたのはまったく久しぶりでした.

ヴァイオリン協奏曲第1番は,たいへん複雑・精緻な曲で,こちらはほとんどロシア生まれのレーピンの独壇場でした.この高度のテクニックを要する難曲を造作なくまことに性格に弾いて見せたのです.第1楽章の優美な第1主題と神経質で不安定な旋律の第2主題の対比が見事でしたし,第3楽章の変奏曲をたいへん分りやすく弾き分けた後,第1楽章の優美な主題の反復のうちに曲が閉じられました.

レーピンのアンコールは,第1,第2ヴァイオリンパートの何人かにピチカートをして貰って,それに乗って,自分もピチカートやボウイングでヴァイオリン特有の美しいメロディを奏でてくれました.

第6交響曲は,3楽章の曲ですが,第2次大戦後戦争犠牲者を悼む気持を籠めて書かれたといわれ,第1楽章は最初からたいへん金管,木管楽器が活躍し,なかなかドラマティックななかに常に不安定性を秘めて演奏されました.緩徐楽章で舞曲風のメロディックな第2楽章のあと,終楽章はロンド・ソナタ形式で,最後に最初の主題を反復させながら,華やかに曲を閉じます.

アンコールの「ロミオとジュリエット」からの「タイボルトの死」は,この組曲中でもきわめて親しみやすい有名なメロディを奏でて終わりました.

一級の交響楽団,超一級の指揮者,そして超一級のソリストを揃えながら,集客力が不足していたようで,客の入りが6割程度だったのはたいへんもったいなかったと思います.
「得チ」ケに回すとか,スポンサー企業への招待券を増やすとかで,もっと集客の努力を払って欲しかったものです.

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