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新日フィル,クラシックの扉,ゲッショルト,児玉麻里(pf) [音楽時評]

10月11日,トリフォニーホールに新日フィルの「扉シリーズ」を聴きに行ってきました.

指揮者は1976年生まれの若手で,ニュルンベルグ州立歌劇場の第2指揮者の地位にあり,これまで主としてオペラ劇場の指揮をして地歩を固めてきたようです.
ソリストは説明するまでもなく欧米でも活躍しているピアノの児玉麻里さんでした.

プログラムは,
モーツアルト:   ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595
※※※※※※※※
チャイコフスキー: 交響曲第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」
  アンコール:ハチャトリアン:「仮面舞踏会」から舞曲

最初のモーツアルトは,ステージ上の楽員数を絞って,たいへん美しい管弦の合奏を聴かせてくれましたし,ピアノがそれに乗ってたいへん優美かつ端正な演奏で,真っ向からオケと渡り合い,このモーツアルト晩年の最後のピアノ協奏曲をまことに綺麗な演奏で聴かせてくれました.まさに1級品の名演でした.

チャイコフスキーの有名な「悲愴」の演奏も稀に聴くよい演奏でした.
第1楽章の始まりのファゴットとコントラバスですが,このオケのファゴット(河村幹子)は在京オケでもナンバー1の人で,まず出だしを整えてくれました.
第1主題を導入するヴィオラが,また,これまで聴いたことがないほど斉奏が綺麗に揃って,見事な演奏でした.
第2主題を経て,中間部の強奏も管の響きが綺麗で,乱れがありませんでした.

優美な第2楽章を経て,快活で華やかに終わる第3楽章のあと,たっぷり気分を鎮める時間をおいて,メラコリックな第4楽章が始められ,日本人指揮者(たとえば前に書いた小澤征爾),日本のオケでよく聴かれる第3楽章で拍手が入ってしまうのを恐れるかのように間髪を入れず第4楽章のタクトを振り降ろす悪例がなくって,いかにも「悲愴」らしい第4楽章をじっくりと聴かせてくれました.
これも日本では稀に聴く名演だったと思います.

アンコールは上記の紹介だけに止めますが.新日フィルの強みは,先日マーラーの交響曲第5番で悪評を買ったNHK交響楽団と違って,木管,金管に優秀な団員を揃えているところにあると思います.
来春に予定される人気のダニエル・ハーディングや,NHK響と一作年末第9で団員にソリを合わて貰えなかった上岡敏之などが,このオケをどう振ってくれるのか,今から楽しみです.


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