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紀尾井ホール:クァルテットの饗宴2008:パノハ弦楽四重奏団 [音楽時評]

8月31日,紀尾井ホール「クァルテットの饗宴2008」パノハ弦楽四重奏団を聴きに行ってきました.

弦楽四重奏団には珍しくほぼ満席でした.
草津音楽祭の常連化しているそうですから,その帰り道かと思います.

プログラムは,
ハイドン:   弦楽四重奏曲第42番 ニ長調 Op.33-6 Hob.Ⅲ-42
シューベルト:弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 D87
        ※※※※※※※※
スメタナ:   弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調 「わが生涯より」
でした.

パノハ弦楽四重奏団は,プラハ音楽院の学生時代に1968年結成,1971年から活動しており,有名なスメタナ四重奏団を継ぐチェコを代表する弦楽四重奏団だといわれます.

プログラム・ノートにも書かれていますが,彼らの演奏の特徴は,音量を張り上げず,まことに滑らかな演奏を聴かせることにあります.

ハイドンは,「ロシア四重奏曲」と呼ばれるなかの1曲だそうですが,まことに滑らか,流麗に弾かれました.ただ,もう少しリズム感ないし歯切れがよくってもよいのではなかったでしょうか.

シューベルトは,聴衆のために書かれたというより,友人が集まって演奏するために作曲されたものに分類されるそうですが,これはパノハの滑らか,流麗な演奏にピッタリだったように思います.

スメタナは,少しもの足りませんでした.何がといえば,リズム感が弱く,歯切れが今一つだった点です.演奏の滑らかさが私にはマイナスに聞こえたのは,有名な第4楽章の絶望的な高音から低音への急降下が,抑制された音量でここでも滑らかに弾かれたことです.
チェコ出身者ぞろいの演奏にもかかわらず,スメタナの絶望感が,それほど痛切には聴こえなかったのです.

こうした欲張った希望をいわなければ,抑制された音量で,まことに滑らか流麗な演奏だったことは確かです.
たとえばベートーヴェン後期の弦楽四重奏曲などをどう弾くのか聴いてみたいものです.



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