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東京音楽コンクール 弦楽部門本選会 [音楽時評]

27日に東京音楽コンクール 弦楽部門本選会に行ってきました.

弦楽部門はヴィオラもチェロも含んでいますが,本選に進んだのはヴァイオリニスト3人だけで,その3人ともチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を選んで演奏していました.
なお,協演したのは新日本フィル,指揮は梅田俊朗でした.

3人は
赤間 美沙子 桐朋女子高等学校音楽科1年在学中
井上 静香   2002年桐朋学園大学音楽学部卒業,紀尾井シンフォニエッタ東京メンバー
泉 沙織    2007年東京芸術大学音楽学部卒業,現在,パリ国立地方音楽院1年在学中
の順に演奏しました.

赤間 美沙子さんは確かなテクニックを持った若手ですが,まだホール一杯に弱音を響かせるところまでは少し経験不足だったようで,ところどころで音がオーケストラに吸収されてしまっていました.
それでも第2楽章の初めの部分の弱音器を付けて歌うところでは,かなり好演していました.
まだ15歳ですから,これから成長していけば,音量も力強さも,曲の構成力も自ずと備わってくると考えられ,将来性豊かな若手と認められました.

井上 静香さんは,さすがにキャリアを積んだ人らしく,堂々として音量も見違えるほど豊かで,オケとやり合っていましたが,ソロパートを完全に弾ききったとはいえない,音の乱れ,表現のもの足りなさがいくつか目立ちました.

そこへいくと,泉 沙織さんは,群を抜いた素晴らしい演奏を聴かせてくれました.神尾真由子を思い出させるほど,ほぼ完璧な演奏で,音の強弱,曲の構成と表現力など出色の出来を示してくれました.
この演奏で,やっと本当にチャイコフスキーの一流の演奏を聴けて,たいへん満足しました.

私の採点では,泉 沙織さんが断トツの首位で,
          井上 静香さんが2位なしの3位,
          赤間 美沙子さんも将来性を買って,3位
というところでした.

発表された本選結果は

第1位 泉 沙織
  Saori Izumi ヴァイオリン
第2位 井上 静香
  Shizuka Inoue ヴァイオリン
第3位 赤間 美沙子
  Misako Akama ヴァイオリン
聴衆賞 井上 静香
  Shizuka Inoue ヴァイオリン

ということでした.

来年2月の東京音楽コンクール優勝者演奏会がますます楽しみになりました.
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