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武蔵野文化小ホール:国際的に活躍する森谷真理 [音楽時評]

3月18日,おそらく森谷真理の日本で最初のリサイタルに,武蔵野文化小ホールへ行ってきました.

彼女はこの1月に東京交響楽団でジョン・健・ヌッツオと共演したそうですが,武蔵野音楽大楽大学院からニューヨークに留学し,マネス音楽院プロフェッショナル・スタディーズを経て,メトロポリタン歌劇場主催のオーディションに合格し,モーツアルトの歌劇『魔笛』の「夜の女王」のカバーに抜擢され,2006年12月31日にその「夜の女王」役でメトロポリタン歌劇場デビューを果たし,その後モーツアルトの『フィガロの結婚』のスザンナ役,『後宮からの逃走』のコンスタンツェ,『ドン・ジョバンニ』のドンナ・エルビーラ,チマローザの歌劇『秘密の結婚』のエリゼッタ役などを次々と歌って精力的に活躍しているコラチューラ・ソプラノです.

プログラムは,ドビュッシーの歌曲,パントマイム,月の光,ピエロ,出現;ベッリー二の歌劇『夢遊病の女』から「おお,もう一度だけあえたんら~おお花よ,お前に会えるとは思わなかった」,
休憩後,R.シュトラウスの歌曲「夜に」「花束を編みたかった」「ささやけ,愛らしいミルテよ」.同じシュトラウスの歌劇『ナクソス島のアリアドネ』から「偉大な王女様」

久方ぶりに現れたこの国際的日本人ソプラノは,初めの歌曲では声が一本調子で堅さがみられましたが,ベッリー二からすっかり調子に乗って,美しく伸びのある声量豊かな歌唱で聴衆を圧倒してくれました.
歌劇場などの大ホールでも十分響くであろう声量で,それにまことに見事なコロラチューラの技量を備えています.
上記のプログラムのうちシュトラウスの歌劇『ナクソス島のアリアドネ』のツェルビネッタ役は,今月の下旬にアイルランド・オペラで歌うスケジュールになっているそうです.

微笑ましかったのは,アンコールでその『ナクソス島のアリアドネ』から別のアリアを歌ってくれたのですが,オペラと違ってスクリプターがいないリサイタルだったため,途中で行き詰まって,伴奏者の斉藤雅広さんの楽譜を覗き込んで,「もう一度」といって歌い直してくれたことです.

彼女の洋々たる将来を予測しつつ,日本の新国立劇場などでも積極的な起用を期待したいものです.
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