新日フィル扉シリーズ:松山冴花(vn),松井直美(org) [音楽時評]
1月26日午後,新日フィルの扉シリーズ演奏会が錦糸町トリフォニーホールでありました.
ソリストはヴァイオリンの松山冴子とオルガンの松井直美で,曲目はラロのスペイン交響曲とサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」でした.
スペイン交響曲のヴァイオリンの最初のフレーズで,ヴァイオリンの音程がちょっとオケと合わずドキッとしましたが,その後は確かなテクニックと美しい音量で,豪放磊落な名演を展開してくれました.
ヴァイオリニストが入場して,ちょっとオーボエが音を出してあげれば良かったのでしょうが,曲が数小節でヴァイオリン登場になるので,最初の音程が微妙にずれて始まってしまったと思います.
ヴァイオリン協奏曲ではなく,交響曲として5楽章まである大曲ですが,大ヴァイオリニスト,サラ・サーテのために作曲された名人芸を要求される曲を,ニューヨーク在住のまだ若いヴァイオリニスト松山冴花は見事に協奏してくれました.
松山冴花は,来月,やはり新日フィルとブラームスのヴァイオリン協奏曲を弾いてくれる予定で,今日のスペイン交響曲よりも,もっとオーケストラと渡り合うことになるブラームスの好演が楽しみです.
後半,ベテランの松井直美がオルガンを弾いたサン・サーンスの交響曲第3番は,指揮のデリック・イノウエとオケとオルガンが見事な交響を繰り広げて,ホールに響き渡るオルガンの豊かな音響と共に,まことに見事な演奏でした.
丁度昨年の春,地方オーケルトラ・シリーズの1つで仙台フィルが,仙台ではオルガンがなくって演奏できないのでこの機会にやるといって演奏してくれたのを思い出しながら聴いていました.
アンコールに,ビゼーのオペラ,カルメンから序曲を華やかに演奏してくれました.
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