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仲道郁代と長谷川陽子,オピッツ,スクロバチェフスキー [音楽時評]

JTアートホールは数人のプロデューサーを置いて,その推薦で室内楽コンサートを開いている.今回は仲道さんの企画で,長谷川陽子との Duo が開かれました.チケット販売が同じホールの宮本文昭サヨナラコンサートとぶつかって小ホールのチケット穫りがたいへんだったのですが,結局,宮本文昭取りには失敗しました.
スタインウエイを全開にしたピアノを背景に,長谷川陽子はややボーイングが強すぎた感がありますが,よくまとまったベートーヴェンのチェロソナタを聞かせてくれました.特にチェロソナタの代表格の作品69は十分な練習をバックに好演を聞くことが出来ました.

オピッツは武蔵野文化開館小ホールでありましたが,オーソドックスなワルトシュタインを始め,シューベルトの即興曲2曲など,ポピュラーな曲を堂々と弾ききって,聴衆を堪能させてくれました.

スクロバチェフスキーはベートーヴェン・チクルスで交響曲全9曲を4日で演奏してしまうというコンサートの最終日,8番と9番(合唱付き)を聴きに行きました.83歳という高齢を考えると,おそらくこれが最後の来日になるのではと考えて行ったのですが,その後彼はゲルト・アルブレヒトが読売日本交響楽団を3月で退職する後を受けて,読響の音楽監督になると聞いて,その健在ぶりをたいへん嬉しく思いました.
当夜は彼の手兵のザールブリュッヘン放送交響楽団との演奏会だったのですが,まず8番という余り演奏される機会の少ない曲を,リズムの固まりのような7番の次の作品らしく,まことに軽やかなリズムに乗せて演奏され,日本のリズム感の乏しいオーケストラでは聴くことの出来ない素晴らしい8番を聴くことが出来ました.
9番も,3楽章などに弦楽器部門の合奏の乱れが見られましたが,そんな細部を忘れさせるまことにスケールの大きい9番を聴かせてくれました.合唱も日本の演奏に慣れた者から見ればまことに少人数だったのですが,さずがプロの合唱団というべきか,十二分にホールを埋め尽くす声量で聴かせてくれましたし,第4楽章のバリトン・ソロが始まるほんの少し前に入場したソリスト4人も,いずれも一級の独唱・合唱を聴かせてくれました.
来年からはスクロバチェフスキーお得意のブルックナーなどを読響を使って聴かせてくれることが大いに期待され,切にそのご自愛をお祈りしたいと思います.


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