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武蔵野文化小ホール:マリーナ・シシュvnリサイタル [音楽時評]

2月17日,武蔵野文化会館小ホールへ,2008年以来のフランスの violinist マリーナ・シシュを聴きに行って来ました.ピアノ伴奏は津田真理さんでした.

2008年の時には,凄いプログラムに惹かれて日経ホールに聴きに行ったのでした.当夜は,
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第5番 へ長調 作品24「春」
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
       ※※※※※※※※
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
を果敢に弾いていましたが,ヴァイオリンの音に丸み厚みがなく,単調で,むしろピアノがリズムを刻んでいましたが,4年後の今夜の演奏も,ほとんど変わりませんでした.

今夜は,最初の予定は,
ショーソン:詩曲
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ & ツィガーヌ
イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第三番 「バラード」
バルトーク:ルーマニア民族舞曲
だったのですが,曲目変更通知が事前にあり,実際には,
ファリャ:    スペイン民謡組曲 (編曲パウル・コハンスキー)
ドビュッシー: ヴァイオリン・ソナタ
ラヴェル:    ツィガーヌ
        ※※※※※※※※
イザイ:     無伴奏ヴァイオリン・ソナタ  ニ単調 Op.27-3 「バラード」
ショーソン:   詩曲 Op.25
バルトーク:   ルーマニア民族舞曲
            Ⅰ.棒踊り,Ⅱ.飾り帯の踊り,Ⅲ.踏み踊り,Ⅳ.角笛の踊り,
            Ⅴ.ルーマニア風ポルカ,Ⅵ.早い踊り.
でした.

前回もこの人のプログラミングに違和感を覚えたのですが,今夜もそうでした.
第1曲から「編曲」された作品を持ってくるのは珍しいことではないでしょうか.そして,スペインに始まって,フランス,ベルギー,もう一度フランス,そしてハンガリーの作曲家を並べているのが,ピンときませんでした.

彼女は Giuseppe Gagliano from 1762 を弾いているのだそうですが,それにしては比較的単調であまり美麗な響きではありませんでした.
年齢は推測で29歳かと思いますが,ブラームスのヴィオリン・ソナタ全曲とかバッハを含む無伴奏ヴァイオリン曲集のレコーディングがあるにしては,あまり素晴らしいヴァイオリニストという印象には遠い印象でした.

2008年の時もそうでしたが,イザイの無伴奏以外は,すべて譜面台を置いていました.取り分け希望で曲を変更したドビュッシーもラヴェルも譜面台を立ててめくるのは意外でした.
暗譜する必要などないと考えてはいますが,たいていはお家芸があるのではないでしょうか.

どの曲も,ひととおり好演奏だったとは思いますが,技巧面のレヴェルの高さにもかかわらず,音がむしろ一本調子で,ピアノ伴奏にかなり大きく依存した演奏に終始したと思います.

武蔵野市以外に,19日,徳島県吉野川市,21日,神奈川県鵠沼で同一曲目の演奏会を同じ津田さんとやるようですから,何か聞こえてくるのを聞いてみたい気持ちです.

 

      

 


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