シャネル:Young Concert Artists室内楽 [音楽時評]
6月17日,銀座シャネルNexus Hall に,Young Concert Artists の室内楽演奏会の最終日を聴きに行ってきました.昨夜のサントリーホール,ブルーローズの何故この人の音楽を?と思わせたピアノ演奏会と違って,世界の8ヶ国から集めたYoung Artists の熱演に堪能できた一夜でした.
プログラムと出演者は, シベリュース: メランコリー 作品20 Jan-Erik Gustafson,cello;
Chin-Fang Huang,pf
ブラームス: クラリネット,ピアノとチェロのための三重奏曲 イ短調 作品114
Todd Palmer,Clarinet; Jan-Erik Gustafsson,cello
Chun-Fang Huang,pf
※※※※※※※※
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第2番 変ロ長調 作品87
Nicolas Kendall,violin; Yayoi Toda,violin
Ensik Choi,viola; 大山平一郎,viola
Thomas Carroll,celllo
でした.
シベリュースは一番下の娘さんを亡くした悲しみのうちに3時間で作曲され他といわれる曲で,たいへん悲しげな,哀愁に満ちた曲でした.チェロが朗々となっていて,心に染みました.
ブラームスは,57歳で,名声を受けている間に作曲を終わりにしたいといっていたのですが,名クラリネット奏者,ミュールフェルトに会って刺激を受け,この三重奏曲を書き,自らピアノを弾いて初演したそうです.因みに,ブラームスは最後にクラリネットとピアノのためのソナタ2曲を作品120として残しています.
この急ー緩ー緩ー急は,3つの楽器が絶えず緊密に掛け合う名曲ですが,まことに好演されました.
メンデルスゾーンは,有名なヴァイオリン協奏曲を書いて間もなくこの曲をかいたそうで,第1,4楽章で第1ヴァイオリンが華々しく活躍しますが,5人のレベルが揃って,見事な演奏を聴かせてくれました.
お陰で,無料で昨夜のつまらなさを補って大いに余りがありました.