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サントリーホール:都響B定期,インバル指揮 [音楽時評]

5月11日,サントリーホールに東京都交響楽団B定期を聴きに行ってきました.指揮は音楽監督のエリアフ・インバルでした.

プログラムは,  
シューベルト:       交響曲第5番 変ロ長調 D485
         ※※※※※※※※  
リヒアルト・シュトラウス: 交響詩「英雄の生涯」  op.40   
でした.

シューベルトの第5交響曲を最初に聴いたのは,NHKが未だ日比谷にあった頃,クルト・ウエス指揮の交響楽団の放送用録音で聴いたことを思いだします.生録音ということで,靴の上に音の出ない上履きを履かされてスタジオに入り,拍手の合図で出来るだけたくさん聴衆がいるように倍速で拍手するようにといって,拍手の練習をさせられたのが忘れられません.

都響はたいへんアンサンブルのよい楽団で,特にインバルの指揮ではそれがフルに発揮されます.シューベルトはまだまだモーツアルトの影響を強く受け継いでいたようで,特に交響曲第40番のメロディが何度も現れます.弦楽器とりわけ低弦の澄んでよく揃ったアンサンブルが,弦楽部門をたいへん美しく響かせていました. 
全4楽章ですが,急-緩-メヌエット-急のスムースな音楽の流れを華麗に展開してくれました.

「英雄の生涯」は6部構成で,「英雄」(ホルン・低弦,変ホ長調)「英雄の敵」(木管・ヂューバ.ト短調)「英雄の伴侶」(ヴァイオリン・ソロ)でそれぞれのキャラクターを提示し,「英雄の戦場」「英雄の業績」「英雄の引退と完成」で英雄がその業績にもかかわらず,過去を美化せずに回想し,隠棲する姿を描き出しています.
主題にかかわるソロ・合奏がたいへんよくまとまって,たいへん好演だったと思います.

またまた改めて東京都交響楽団の実力を楽しんだ一夜でした.


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