JTアートホール:アフィニス夏の音楽祭東京公演 [音楽時評]
8月24日,山形県で開かれているアフィニス夏の音楽祭の東京公演を聴きに,JTアートホールに行って来ました.
アフィニス夏の音楽祭は,四方恭子さんが音楽監督で,20もの日本のオーケストラ団員の参加を得,かつ海外からの選りすぐりの名手の出演も得て,オーケストラ公演と室内楽公演を聴かせているモノです.
今回の東京公演の特色は,JTアートホールでは珍しい金管楽器の演奏がふんだんに聴けたことです.
プログラムと演奏者は,
ベートーヴェン: ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.16
Ob;斉藤真美,Cl;ヨハネス・バイツ,Fg:田邊武士
Hr;アブ・コスター,Pf;村田千佳.
コルンゴルド: 弦楽六重奏曲 ニ長調 Op.10
Vn1;久保木隆文,Vn2;蔵川留美,Va1;ポール・ペシュティ
Va2;佐藤裕子,Vc1;大内麻央,Vc2;樋口泰世
※※※※※※※※
バッハ: プレリュードとフーガ ハ短調(D.Taylor編曲・金管五重奏版)
Tp1;オマール・トマゾーニ,Tp2;亀島克敏,Hr;林伸行
Trb;ロジャー・フラット,Tub;喜名 雅
クレスポ: 組曲「アメリカーナ」第1番(抜粋4曲)
Ragtime, Bossa Nova, Vals Peruano, Son de Mexico
Tp1;オマール・トマゾーニ,Tp2;亀島克敏,Hr;林伸行
Trb;ロジャー・フラット,Tub;喜名 雅
でした.
最初のベートーヴェンは,馴染みのメロディが現れますが,オーボエ,クラリネット,ファゴット,ホルンにピアノという組み合わせで,とにかくその合奏の妙に感嘆しました.
コルンゴルドはオーストリアの後にアメリカに渡っていますが,未だ若い頃,ブラームスの同一楽器編成の曲を基礎にして書かれた作品だそうで,ロマン的な作品です.たいへん美しい曲が好演されました.
後のバッハ(Taylor編曲)とクレスポの2曲は,ただただ金管楽器の輝きに圧倒されて聴いていました.
アフィニス夏の音楽祭東京公演が,こうした珍しい楽器の組み合わせを聴かせてくれたことに,心から敬意を表したいと思います.ただ,聴衆が満席ではなかったことが惜しまれます.
コメント 0