シャネル:Young Concert Artists [音楽時評]
6月13日,日頃から若手音楽家の育成プログラムを世界的に展開しているシャネルが,東京でYoung Concert Artists Festival Week を展開中ですが,その1日を聴きに行って来ました.
出演者は,
Piano: Louis Schwisgebel,Benjamin Moser,
Violin:Caroline Goulding, 戸田弥生,
Viola: Nokuthula Ngwenyama,大山平一郎,
Cello: Julia Bruskin,Thomas Carroll,
Flute; Aleksandr Haskin,
でした.
プログラムは,
ラヴェル: 「夜のガスパール」より「オンディーヌ」 Louis Schwisgebel
ボッケリーニ: チェロとピアノのためのソナタ イ長調 第6番
Julia Bruskin&Benjamin Moser
ルチアーノ・ベリオ:セクエンツア Aleksandr Haskin
ショスタコーヴィチ: ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 op.67
Caroline Goulding,Julia Bruskin, Louis Schwisgebel
※※※※※※※※
ウエーベルン: チェロとピアノのための2つの小品/チェロとピアノのための3つの小品
Julia Bruskin&Benjamin Moser
ブラームス: 弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 op.111
戸田弥生,Caroline Goulding,Nokuthula Ngwenyama,
大山平一郎, Thomas Carroll
とまことに多彩でした.
このYoung Concert Artists Festival Week6月9日から15日までプログラムを変えながら開かれており,他に,Guest Artists として,松田洋子,漆原朝子(いずれもヴィオリン)が参加しています.
Caroline Gouldingはアメリカ,オハイオ州出身でアメリカの主要オーケストラとの協演歴も豊富で,ジョナサン,モールズから提供された1720年製のストラディヴァリュース「ジェネラル・キッド」を使用しているそうです.
戸田弥生は,1993年のエリザベート王妃国際コンクールの優勝者で,上野製薬から提供された1740年製のピエトロ・ガルネリを使っているそうです.
ヴィオラのNokuthula Ngwenyamaは,シンバブエ人と日本人の間にアメリカで生まれ,パリ高等音楽院で学び,プリムローズ国際ヴィオラ・コンクールで優勝した才人で,ロサンゼルス・フィルなどメジャー・オーケストラと協演し,サントリーホールその他でリサイタルを持った経歴があり,その上,ハーバード大学で神学修士を得ているそうです.
Julia Bruskinは,ボストン出身で,17歳でボストン響と協演した才人で,クレアモント・トリオでも活躍中だそうですし,夏には各地の音楽祭から招かれているといいます.
Julia Bruskinは,イギリス出身,ヨーロッパの主要オーケストラと協演し,ウイグモア・ホールやルーブルなど有名ホールでリサイタル歴を重ねている人で,英国王立音楽大学ユーディ・メニューイン音楽学校で教授を務め,後進の指導に当たっているそうです.
Aleksandr Haskinは,ベラルーシのミンスク生まれ,モスクワ・チャイコフスキー音楽院,イェール大学で学び,アメリカやヨーロッパ各地の有名ホールで活躍中だそうです.
Benjamin Moserは1981年ミュンヘン生まれ,2007年のチコフスキー・コンクールに入賞し,アメリカ,ヨーロッパで広く活躍中だといいます.
Louis Schwisgebelは,1987年ジュネーブ生まれ,ローザンヌ音楽院,ベルリン芸術大学,ジュリアード音楽院で学び,アメリカ,ヨーロッパの主要オーケストラに招かれて,協演歴を重ねている期待の若手です.名古屋フィルとの協演歴もあるそうです.
このように,シャネルの後援もあって世界に進出した才人ばかりですが.今夜の演奏会では,よくここまで準備したと思わせる好演が続きました.
出演した若手演奏家達の今後いっそうの成長発展を祈りたいと思います.
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