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武蔵野文化:アルガマニヤン(pf)リサイタル  [音楽時評]

5月1日,武蔵野文化会館小ホールに,ナレ・アルガマニヤン(1989年アルメニア生まれ)のピアノ・リサイタルを聴きに行って来ました.

2008 Montreal International Musical Competition 1st prize.が主要な受賞歴ですが,マールボロ,タングルウッドなど国際的な音楽祭に招かれて国際的な活躍の場を広げているそうです.

プログラムは,
バッハ:      パルティータ第3番 イ短調 BMW827
シューベルト:  4つの即興曲 Op.90,D899から    No.3 & 4
リスト:       村の居酒屋での踊り[メフィスト・ワルツ第1番」 S514/R181
          ※※※※※※※※
ラフマニノフ:   練習曲集「音の絵」 Op.33より  No.1~6全曲
チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」(編曲プレトノフ)  I~VII
バラキレフ:    イスラメイ
と盛り沢山でした.

しかし,残念に思ったことは,どれもが技巧をひけらかす曲ばかりで,曲の解釈や構成を顕示するたぐいの能力を見る曲が,短いイスラメイを除いて,欠けていたことです.ずばり言えば,ピアノソナタが1曲もなかったのです.
さらにいえば,バッハ,チャイコフスキーはいずれも編曲された作品で,本来のピアノ曲ではありませんでした.
シューベルトの即興曲集は4曲纏めてではなく,2曲だけでした.ラフマニノフの練習曲集は纏めて6曲でしたが,いずれもかなり短い曲でした.

バッハではミス・タッチが目立ちました.シューベルト以降は目立ちませんでしたが,リストの曲は,つい先日,トリフォノフがアンコールに弾いた絢爛たる演奏と,ついつい較べて聴いていました.

ラフマニノフの練習曲集は選曲して弾かれることが多いのですが,それを纏めて6曲聴かせてくれたことは評価したいと思います.

チヤイコフスキーの編曲は,原曲にかなり忠実ですが,その演奏をどうのこうのいうつもりにはなれません.

バラキレフのイスラメイは,滅多に聴かない曲ですが,なかなかの名曲だと感じさせる演奏でした.

そんな訳で,こうした短編集からでは,アルガマニヤンがかなり高度のテクニックを持った人だとは分かりましたが,それ以上に,彼女のピアニストとしての資質や将来性について何かをいう気持ちにはなれませんでした.

中堅どころのピアニストではなく,ごく若いピアニストなのですから,武蔵野文化会館側からソナタを1曲は弾いて欲しいと要望しなかったのが不可解です.既にレコーディングもあって,そこにはソナタが複数曲収録されているのですから,要望には必ずや応えてくれたと思うのです.

 

 


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