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第14回チャイコフスキー優勝者ガラ・コンサート [音楽時評]

4月23日,サントリーホールに,第14回チャイコフスキー国際コンクール優勝者ガラ・コンサートを聴きに行って来ました.今夜は,ピアノ,ヴァイオリン,チェロの優勝者3人が,ソロを披露してくれました.ヴァイオリンとチェロにはピアノの優勝者が伴奏していました.

とにかく優勝者たちのレベルの高さ,美しい音に感心しました.私は前から「日本音楽コンクール」を国際化すべきだと主張しているのですが,今のままでは,ますますローカルのレベルに置いて行かれるでしょう.

出演者は,それぞれの部門の優勝者で,
ピアノ:    ダニール・トリフォノフ(ロシア生21歳)使用楽器はFAZIOLI
ヴァイオリン:セルゲイ・ドガージン(ロシア生23歳)1758年製グァダニーニ
チェロ:    ナレク・アフナジャリャン(アルメニア生23歳)1698年製ダヴィッド・テヒラー
でした.

プログラムは,多彩で,
ドガージン,トリフォノフで
チャイコフスキー: なつかしい土地の思い出 作品42
チャイコフスキー: ワルツ・スケルツオ ハ長調 作品34
      アンコールに,マスネの「タイスの瞑想曲」
アフナジャリャン,ドリフォノフで,いずれもチェロ用編曲による
シューマン:     幻想小曲集 作品73
ラフマニノフ:    ヴォカリーズ 作品34-14
パガニーニ:     ロッシーニのオペラ「モーゼ」の主題による変奏曲
      アンコールに,エルガー「愛の挨拶」
休憩を挟んで,トリフォノフのピアノ・ソロで
ドビュッシー:    「映像」第1集,1.「水に映る影」,2.「ラモーをたたえて」,
                      3.「動き」
ショパン:       12の練習曲 作品10全曲
               第3番に「別れの曲」,第5番「黒鍵」,第12番「革命」を含む
       アンコールに,トリオで,ドヴォルザーク:ユーモレスク
                ピアノで,J.シュトラウスII「こうもり」パラフレーズ(トリフォノフ編曲)
とまことに多彩でした.
なお,トリフォノフは,2010年ショパン国際コンクール第3位入賞者でもあります.

ただただ1人1人の技術水準の高さ,豊かな構想力,多彩な表現力,美麗な音色に感嘆しました.
ソ連邦の崩壊後の東欧の音楽レベルが画期的に上がって,20世紀を超えた21世紀の大器を輩出しているのを感じました.

とりわけ,ナレク・アフナジャリャンのチェロは21世紀の大物だと思いますし,トリフォノフの表現力,構成力にも大いなる将来性を感じました.ドガージンも素晴らしいのですが,そのレベルは日本人のチャイコフスキー優勝者でも並べられるのではないかと感じました.

なお,私は行けないのですが,3人がアンドレイ・ヤコブレフ指揮のモスクワ交響楽団と協演する演奏会が同じサントリーホールで27日に予定されていますから,ご関心の方にはお薦めします. 

 


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