東京春音楽祭;N響メンバーによる弦楽四重奏 [音楽時評]
4月7日,マチネーで,東京春音楽祭の一環として国立科学博物館日本館講堂で開かれた「N響メンバーによる弦楽四重奏~オール・ベートーヴェン・プログラム~を聴きに行って来ました.
近年,毎年楽しみにして行っているコンサートですが,今日は残念ながらあまり楽しめませんでした.
チェロが,これまでになく,高音弦と低温弦で音色が変わり,とりわけ,低弦を含む重音が濁ってしまい,弦楽四重奏のアンサンブルを損なっていたからです.音響は強く響いていましたから,もう少し,音量を絞った方が良かったのではないでしょうか.
メンバーは,
第1ヴァイオリン:山口裕之 N響コンサートマスターで第2ヴァイオリンの首席
第2ヴァイオリン:宇根京子
ヴィオラ: 飛澤浩人 次席
チェロ: 藤村俊介 次席
で,前は次席代行だった人が,次席に昇格していました.
プログラムは,オール・ベートーヴェンで,
弦楽四重奏曲 第5番 イ長調 op.18-5
弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 op.95
※※※※※※※※
弦楽四重奏曲 第14番 嬰ハ短調 op.131
でした.
先日,同じ東京春音楽祭で,東京文化会館小ホールでアミーチ弦楽四重奏団が,やはりオール・ベートーヴェン・プログラムで前期,中期,後期を聴かせてくれましたが,今回も前期,中期,後期から各1曲でした.有名曲ばかりですから内容には立ち入りません.
演奏内容ですが,アミーチは第1ヴァオリンの荒さが気になったのですが,今日は,いつも4つの楽器の音が聞こえてくるという意味では従来通り良かったのですが,チェロが楽器を変えたのかどうか知りませんが,低弦の音色が高弦と異質になっていて,とりわけ重音で加わるとアンバランスになり,アンサンブルを損なっていました.
チェロの音が相対的に大きく鳴りすぎていましたから,来年春には,少し抑制することを期待したいと思います.
山口さん,宇根さん,飛澤さんは,たいへんよくバランスしていたと思われますから,チェロの音の濁りとアンバランスがすごく残念でした.
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