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東京春音楽祭:アミーチ弦楽四重奏団演奏会 [音楽時評]

3月19日,東京文化会館小ホールに,アミーチ弦楽四重奏団の演奏会を聴きに行って来ました.
この弦楽四重奏団は,前に,最初,新設の日経ホールで聴いたことがあり,その時は絨毯を敷き詰めたホールの残響のなさが災いして,あまり楽しめなかったのです.
その次には,2010年の東京春音楽祭で,その時は国立科学博物館日本館講堂で聴いたのですが,やはり何か雑な演奏が支配した感じで,あまり楽しめませんでした.

今夜は音響の良い小ホールだったのですが,今夜は何故か,第1ヴァイオリンの演奏の荒さが気になって,今回も余り楽しめませんでした.

メンバーは.
第1Violin: フェデリコ・アゴスティーニ(元イムジチのコンマス)
第2Violin: 川崎洋介
Viola:    ジェームズ・クライツ
Cello:       原田禎夫(元東京クヮルテット)
でした.

プログラムは,オール・ベートーヴェンで,
弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 op.18-3
弦楽四重奏第16番 ヘ長調 op.135
    ※※※※※※※※
弦楽四重奏第9番 ハ長調「ラズモフスキー第3番」op.59-3
でした.

どれも有名曲ですから,内容に立ち入りませんが,とにかく第1バイオリンの演奏が雑で,楽しめませんでした.どうも何時まで経っても,室内管弦楽団のコンマスの演奏スタイルから抜けきっていないようで,音程は不安定ですし,荒っぽくって,十分に弦楽四重奏の緻密なアンサンブルに貢献しているとは思えなかったのです.原田禎夫さんは大変好演していたと思いますが,やはり4人で緊密なアンサンブルを形成して欲しかったと思います.

せっかくオール・ベートーヴェンの名曲揃いだったのですが,こちらが曲を知っていて,しかも最近,東京クヮルテット.ボロディン弦楽四重奏団と立て続けに緊密なアンサンブルを楽しんできただけに,どうにも不満が残りました.

幸い,同じ東京春音楽祭で,4月7日に,国立科学博物館日本館講堂で,山口裕之さん(NHK響コンマスで,いつも第2ヴァイオリンの首席を弾いている人)を中心とした「N響メンバーによる弦楽四重奏~オール・ベートーヴェン・プログラム」が,マチネーで予定されていますから,こちらに望みを繋ぎたいと期待しています.

このメンバーによる弦楽四重奏はもう何度か続けて東京春音楽祭で聴いていますが,決して期待を裏切らない好演を聴かせてくれる弦楽四重奏団ですから,たとえ今夜満足された方でも,同じ初期,中期,後期から1曲ずつの違った3曲を聴ける良い機会として,またお出かけになることをお薦めします.


 

 


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