所沢ミューズ:フォクルール・オルガン演奏会 [音楽時評]
3月3日,所沢ミューズ,アークホールに,ベルナール・フォークナーのオルガン・リサイタルを聴きに行って来ました.
このホールは先日のピアノ・リサイタルでは感心しませんでしたが,この日本で有数のストップ数を誇るパイプオルガンには,たいへん感動しました.
オーストリアのリーガー社製で1993年に設置されたモノですが,Crescendo が4通り可変,256コンビネーション,実動ストップ75,パイプ数5563本という規模を誇っています.
フォクレールは1953年ベルギー生まれ,1970年代半ばから演奏活動を開始し,ルネサンスから現代まで幅広いレパートリーを誇り,自分でも作曲をしている才人です.
今日のプロフラムの特徴は,前半,後半にそれぞれ一段曲ずつ現代曲を1曲含めており,前半のそれは自作のモノでした.プログラムは,
アクステフーデ: トッカータとフーガ ヘ長調 Bux WV156
フォクルール: トッカータ(2001年作曲)
ブルーナ: 聖母マリアのレタニアによるティエント
J.アラン; リタニー
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グリニ: オルガン曲集 第1巻より
ブスマン: ファンファーレ 第2番(1971年作曲)
J.S.バッハ: ライプツィヒ・コラール集より「いざ来たれ,異邦人の救い主よ」
BWV661,BWV660,BWV659
J.S.バッハ: 幻想曲とフーガ ト短調 BWV660542
でした.
個々の作品をなぞることはできませんが,とにかく非常に多彩なオルガンの機能に支えられて,それぞれの曲がまことに厚みと深みたっぷりに演奏されて,オルガン曲の深遠な美しさとまことに豊かな情感に触れ,パイプオルガン演奏の神髄に触れたような気持ちを味わうことが出来ました.
アークホールは,ピアノやヴァイオリンのリサイタルには不向きですが,パイプオルガンのリサイタルは一聴の価値が十分にあると思います.
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