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武蔵野文化小ホール:ブラレイ(pf)リサイタル [音楽時評]

2月11日,武蔵野文化会館小ホールに,フランス生まれのフランク・ブラレイのピアノリサイタルを聴きに行って来ました.1968年生まれといいますから,43か4歳でしょうか.
1991年にエリザベート王妃Competition で優勝して以来,目覚ましい活躍を重ねており,日本にも何度も来ているそうで,ラ・フォル・ジュルネにほとんど常連のように来日しているといいますが,私にとっては,初めての体験でした.

つい先日,イギリスのクァルテットが演奏したドビュッシーに失望したのでしたが,今夜のブラレイのドビュッシーにはたいへん満足しました.

プログラムは,
シューベルト: ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
          ※※※※※※※
ドビュッシー:  「前奏曲」より 第1巻 第4曲  音と香りは夕暮れの大気に漂う
                         第11曲 パックの踊り
                         第6曲  雪の上の足跡
                    第2巻 第3曲  ピーノの門
                    第1巻 第9曲  さえぎられたセレナード
                         第5曲  アナカプリの丘
                         第10曲 沈める寺
ドビュッシー:映像 第1集 水に映る影,ラモー賛歌,動き
でした.

シューベルトのピアノ・ソナタ 第20番は,シューベルト最晩年のピアノ・ソナタ3曲の真ん中の作品で,私が好きな曲の1つです.ブレンデルのCDをよく聴いていますし,昨年は内田光子がサントリーホールで3曲纏めて弾いて呉れたのが,印象に残っていますし,確かラ・フォル・ジュルネで,私は河村尚子の好演を聴いた記憶があります

第1楽章 Allegro イ長調,第2楽章 Andantino 嬰ヘ短調,第3楽章 Scherzo: Allegro Vivace – Trio: Un poco più lento イ長調,第4楽章 Rondo. Allegretto-Presto イ長調 の4楽章構成ですが,第1楽章では歌謡的旋律が美しく,第2楽章は三部形式で,侘びしげな曲調から中間部にやや激しい曲調が含まれています.第3楽章スケルツオは,技巧的な楽章で聴かせます.第4楽章は,ソナタ第4番からの引用主題を活用したロンドで,テンポをPrestoに速めて,華々しく終わります.
ブラレイはかなり神経質な人で,プログラム順と楽譜を持ってきてピアノの上に置き,それから椅子の取っ手を左右に回して調整し,両手をピアノのキーボード上部にポンと当ててみて,位置を確かめてから引き始めますが,実に着実に曲想を踏まえ,精巧なテクニックで,個性的な表現力で好演を聴かせてくれました.

ドビュッシーは,詳細には入りませんが,印象派的といわれるドビュッシーを,かつての名ピアニスト,コルトーを思い起こさせるような,精妙なニュアンスを着実に踏まえて,1曲1曲をたいへん好演してくれました.

アンコールの1曲目はラベルだったと思いますが,曲名は思い出せません.もっとアンコールをしていたようですが,私は1曲だけで満足してホールを後にしました.

また機会があれば,ぜひ聴いてみたい魅力的なピアニストです.

 

 


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