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東京文化会館:New Year Concert 2012 [音楽時評]

1月3日,東京文化会館にNew Year Concert 2012 を聴きに行ってきました.
大友直人指揮,東京都交響楽団,ソリストに三浦文彰(vl)でした.
なお,コンマスは正月のせいか,ソロ・コンますではなく,山本友重でした.

プログラムは,
ロッシーニ《生誕220年》: 「どろぼうかささぎ」序曲
ブルッフ:            ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26
      ※※※※※※※※
ドビュッシー《生誕150年》:牧神の午後への前奏曲
ストラヴィンスキー《生誕130年》:火の鳥 1919年版 
でした.

たいへん名曲揃いでしたが,ここでも最近好調の東京都交響楽団の力量が発揮されて,たいへん表情豊かな演奏が続きました.

ロッシーニの歌劇は,地主の家で銀食器がなくなり,嫌疑が美しい村娘にかけられ,死刑になる寸前に,実は「かささぎ」が咥えて持って行ったことが分かり,救われるというストーリーですが,ロッシーニらしい軽妙なリズムと流麗な旋律が溢れた曲で,終わり近くに,クレッシェンドで大きな盛り上がりが作られていました.大友さんの端正な指揮に都響が見事に答えていました.

ブルッフを弾いた三浦文彰は2009年に16歳でハノーバーCompetitionで優勝した若手ホープの1人です.ご両親がいずれもヴァイオリニスト(父親は東京フィルのコンマス)で,早期教育の成果といえるのでしょう.
曲はブルッフのさほど多くない名曲の1つですが,彼らしいロマン派的情感に満ちた美しく華麗な旋律,叙情性豊かな和声が,たいへん美しい協奏曲を織りなしています.
三浦文彰のヴァイオリンは,少し音量に欠けるところがありましたが,大友の指揮がヴァイオリンが入るところではぐっとオーケストラの音量を絞っていましたから,第1楽章の力強い主題と叙情性豊かな第2主題がくっきり浮き彫りにされていました.切れ目なく第2楽章,叙情性溢れる緩徐楽章に移り,カデンツアらしい部分なしで終わり,第3楽章は,ヴァイオリンの重音による主題とオーケストラの高らかに奏でる主題が華麗に押しなされて発展し,フィナーレを迎えます.
終曲に向けて,ソリストも音量を全開させて,締めくくっていました.
現在ウイーンの私立音楽大学で研鑽を重ねているそうですから,さらなる成長,発展を祈りたいと思います.

ドビュッシーの前奏曲は余りに有名ですが,都響は見事に好演していました.

ストラヴィンスキーの火の鳥はバレー音楽で,いわば組曲風になっていますが,魔法にかけられた王女と王子が対照的な曲を連ねた後,魔法が解けて,めでたく両者が結ばれるところで,たいへん盛り上がって終わります.
ここでまた都響の弦楽器,管楽器,打楽器が鮮やかなやりとりを展開して,曲を盛り上げていました.なかなかの好演だったと思います.

聴衆は,95%くらいで,この時期にしては大入りだったのではないでしょうか.
   


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