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第一生命ホール:ウイーンフィル室内楽チャリティ・コンサート [音楽時評]

久しぶりに第一生命ホールにウイーン・フィルメンバーによる室内楽チャリティ・コンサートを聴きに行ってきました.出演はウイーン・ムシークフェライン弦楽四重奏団にクラリネットのペーター・シュミードルが加わっていました.

まずたいへん驚いたのは,私がまだ日本の弦楽四重奏団を選ばずに聴いていた(今は東京クァルテット,アルティ,アルモニコに限定して聴いています)頃には,このホールでチケット完売は見たことがなかったのに,今夜は完売していたことです.これは優秀な楽団を迎えれば,このホールでも満席になることがあるということで,認識を新たにしました.

メンバーは,
第1ヴァイオリン: ライナー・キュッヒル
第2ヴァイオリン: エックハルト・ザイフェルト
ヴィオラ:      ハインツ・コル
チェロ:        ゲアハルト・イーベラー
+クラリネット:   ペーター・シュミードル
でした.

プログラムはオール・モーツアルトで,
弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 K.458 「狩」
弦楽四重奏曲第21番 ニ長調 K.575 「プロイセン王第1番」
        ※※※※※※※※
クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
でした.

チャリティ・コンサートですから,満点を期待すべきではないことを承知の上で,それでも率直にいいますと,ウイーンフィルの来日に先駆けて来日し,自分たちの弾き慣れた曲を並べて,それなりに上手に弾いてくれたという印象でした.
もちろん,日本のクァルテットにあまり見られないチェロの名手が入って,アンサンブルは見事でしたが,各パートが十二分の美音を出して,十全にフレージングしていたとは思われませんでした.
それはクラリネット五重奏曲についてもいえます.必ずしも十分に実力の程を示してくれたとは思えなかったのです.

ただ,開演前後からかなりの雨量でしたし,滅多に見ない満席でしたから,私の体感でいっても,ホール内の湿度はかなり上がっていたのではないでしょうか.中央通路左側最前列から2列目左へ2人目の男性が,ずーっとプログラムで顔を仰いでいたのが,後方の席からたいへん気になりました.ホール側はこの湿度に果たして適切な対応をとったのでしょうか?この時期にしては,ホール内は上着を脱いだ白シャツ姿で溢れていたようですが?
それは,この2週間ほどの間,他のどのほぼ満席のホールでも見かけなかった光景というべきです....

私がこれまで何度か王子ホールで聴いたあのウイーン・ムジークフェラインの完璧なレベルではなかったというのは,私の高望みに過ぎるのかも知れませんが.

ポピュラーな曲揃いですから,内容に立ち入りませんが,私の全体的な受け取り方を書き留めました.
今年のグラモフォン賞に輝いたパベル・ハース(浜離宮朝日ホール)や名声を誇るジュリアード(紀尾井ホール)が近々来日しますから,ホールの条件も考慮して,それらと聞き比べたいと考えます.

 


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