武蔵野文化大ホール:ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団 [音楽時評]
9月20日,武蔵野文化会館大ホールに,ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団を聴きに行ってきました.指揮は首席指揮者のアイヴァー・ボルトン,ピアノ・ソロに,モナ=飛鳥・オットが加わっていました.
管楽器は1830年頃の金属製バルブのないモノを使い,弦楽部門はガット弦かどうかは分かりませんでしたが,ほぼ全員がノン・ビブラートで弾いていました.
プログラムは,オール・モーツアルトで,
ピアの協奏曲 第21番 ハ長調 K.567
交響曲第40番 ト短調 K.550
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交響曲第41番 ハ長調 K.551
でした.
ピアノ強行曲第21番は,急ー緩ー急を淡々と着実に弾くピアノに,管弦楽がピッタリ寄り添って,たいへん綺麗にまとまっていました.
交響曲第40番では,特に3楽章で,ホルン,トランペットの音がかなり外れて聞こえました.古楽演奏スタイルは弦楽器の音はビブラートなしなのでたいへん澄んで聞こえるだけに,バルブのない管楽器の外れた音はたいへん気になりました.
それは交響曲第41番「ジュピター」でも同じでした,第40番ほどひどくはなかったのですが,ピッチとテンポの乱れは,第40番の記憶が残っていただけに,聴いていて落ち着けませんでした.
来日以来,既に4~5会の演奏会をこなしてきたにしては,どうしたことでしょう.
バルブが無い分が演奏者の技術で補完されてこその古楽演奏なのですから,今夜の演奏会は期待をかなり大きく裏切るモノでした.首席指揮者が帯同してきて,それでなおこうした演奏を聴かせるのでは,金管楽器はむしろ弾きやすい金属バルブのついたモノにした方がマシだと言いたくなりました.
それは現代楽器+ビブラートか古楽器+ノンビブラートかという論争の中で,現代楽器派から繰り返し主張されてきたことですが,もう一つ言えば,それは演奏者次第だと思うのですが,どうでしょうか.
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