JTアートホール:ブラームスの三重奏曲の夕べ [音楽時評]
7月15日,JTアートホールに,ブラームスの三重奏曲の夕べを聴きに行ってきました.ブラームス・フアンの1人なのです.
出演者は,ピアノ,練木繁夫,ヴァイオリン,徳永二男,チェロ,堤 剛でした.
プログラムは,3曲のブラームス作曲のピアノ三重奏曲でしたが,演奏順が番号とは一致していませんでした.
ピアノ三重奏曲 第2番 ハ長調 Op.87
ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 Op.101
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ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 Op.8(改訂版)
の順序でした.
第1番だけが,晩年になって改訂されて,曲も大きくなったからということでした.
正確には,1番が1854 and 1891-edited,2番が1882,3番が1886年です.
弦楽四重奏と違って,三重奏はめいめいがが自分流に演奏すれば自ずから合わさるモノですから,私もある時は,もっぱらチェロを聴き,ある時はヴァイオリンやピアノを聴いていました.
3曲とも,すべて4楽章構成ですが,2番は Allegro
Andante con moto
Scherzo:Presto - Povo meno presto
Finale:Allegro giocoso と2楽章に変奏曲,3楽章にScherzo が用いられて急-緩-急-急となっていましたが,
3番は, Allegro energico
Presto non assai
Andante grazioso
Allegro molto
と2楽章はScherzo でなくintermezzoで,急-急-緩-急 の順序です.
ちなみに1番は,
Allegro con brio
Scherzo:Allegro molto~meno allegro
Adagio Allegro
と,2楽章が Scherzo で,急-急-緩-急となっており,改訂時に原型をとどめたように思われます.
この3曲のなかでは,1番が比較的よく演奏される曲で,第1楽章でチェロが馴染み深いメロディを歌い始め,他の楽器にも受け継がれます.
全体に好演でしたが,とりわけ第1番が熱演されていました.
こうした室内楽を聴く機会に,もっと恵まれたいと思います.
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