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サントリー・ブルーローズ:プレスラー(pf)リサイタル [音楽時評]

6月16日,サントリーホールにメナヘム・プレスラーのピアの・リサイタルを聴きに行ってきました.ベートーヴェンの作品110,シューベルトの作品960のソナタを弾くというので大いに期待して出かけたのです.しかし,率直に言って,たいへん失望しました.

プレスラーは1923年生まれで,華々しいソリスト活動からボザール・トリオでのおよそ半世紀にわたる室内楽活動を経て,2008年同トリオ解散から再びソロ活動を始めたユニークな演奏者です.

プログラムは,                                                                   ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 変イ長調 op.110                                               ショパン:     マズルカ 変ロ長調 op.7-1、へ短調 op.7-3、イ短調 op.17-4                           ドビュッシー:   版画                                                                     ※※※※※※※※                                                             シューベルト:   ピアノ・ソナタ 変ロ長調 D960                                             でした.

しかし,これだけの名曲をプレスラーは,室内楽に慣れたからか譜面を置いて,譜めくりさんを煩わせながら弾いたのです.再三のミスタッチはご愛敬としても,室内楽奏者だったからか,年齢的にか,腕をほとんど上げずに,もっぱら手首と指だけで弾いている感じでした.したがって,音量の幅は狭く,表情も乏しく,表現力が伴わなかったのです.

サントリーホールは,今年から,これまでカザルスホール,トリトン第一生命ホールで室内楽をやってきたディレクダーを中心に,Chamber Music Garden および室内楽アカデミーという企画を始めた一環なのですが,Pacifica Quartet の成功は評価できるとしても,プレスラーにこれだけの,とりわけベートーヴェンとシューベルトの晩年の2曲をprogramming させたのは,まことにいただけませんでした.

サントリーホールの大ホールではなく,小ホールだから納得して...というのでしょうか.                    アメリカでは高齢者差別だとして定年制度が廃棄されていますから,今後,元有名,元高名音楽家が続くのかもしれませんね. 


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