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NHK響B定期アシュケナージ指揮,神尾真由子(vn) [音楽時評]

6月8日,NHK交響楽団のB定期を聴きにサントリーホールに行ってきました.指揮は前の音楽監督で現在桂冠指揮者のアシュケナージ,ソリストにViolin の神尾真由子が出演していました.

プログラムは,                                                                   ショスタコーヴィチ: 弦楽八重奏のための2つの小品 作品11(弦楽合奏版)                             プロコフィエフ:   ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63 
        ※※※※※※※                                                                                                 ショスタコーヴィチ: 交響曲 第5番 ニ短調 作品47
と3曲ともロシアの作曲家の作品でした.

ショスタコーヴィチの弦楽八重奏のための2つの小品(前奏曲とスケルツオ)は,元々は2つの弦楽四重奏団のための作品だそうですが,弦楽合奏版でN響の弦部門の実力を遺憾なく発揮した好演でした.

神尾真由子をソリストに迎えたプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番は,彼女が既にチャイコフスキーの協奏曲と一緒にCDを出している作品で,いかにも自信に溢れた好演を聴かせてくれました.急-緩-急の3楽章構成ですが,第1楽章でヴァイオリン・ソロがまず第1主題を奏でるところから,たいへん暖かみのある豊かな音を響かせて,ロマン主義的ともいえる楽章を叙情性をたたえて協演していました.第2楽章の緩徐楽章部分ではヴァイオリン独奏の提示する甘美な主題が多彩に変奏されました.                                                         第3楽章はロンド形式で,独奏ヴァイオリンの導く重音奏法主題が,リズム感を高めながら見事な盛り上がりを築いて終わりました.彼女の個性も顕示した見事な名演だったと思います.

ショスタコーヴィチの交響曲第5番は,もう何年も前に,ロンドンで,アシュケナージがフィルハーモニア菅を指揮した名演の記憶が残っていますが,今夜も気心の知れたN響の力を隅々まで十二分に引き出して,滅多に聴けないほどの名演を聴かせてくれました.ロンドンで聴いたときは,プレトークで,ショスタコーヴィチと親交のあったアシュケナージがこの曲を巡る作曲家の内面に踏み込んだ秘話を聴かせてくれたことが思い出されました.

とにかく,たいへん充実した演奏会でした.


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