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サントリーホール:都響プロムナード,ウォルフ指揮,グトン(cello) [音楽時評]

6月4日,東京都交響楽団のプロムナード・コンサートを聴きに,サントリーホールに行ってきました.

ジョゼフ・ウォルフは,あの有名なイギリスの指揮者コリン・ディヴィスの息子だそうで,わざわざ芸名を用いているのだそうです.最初はヴァイオリン奏者として活躍していたようです.                                         フランシス・グトンはフランス出身で,有名チェリスト,フルニエの最後の弟子の1人だといいます.早くから室内管や歌劇場菅の主席チェリストとして名声を高めてきた人だといいます.

プログラムは,文字通りの名曲揃いで,                                                  メンデルスゾーン: 序曲「フィンがルの洞窟」作品26        
ドヴォルジャーク: チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 
             ※※※※※※※       
メンデルスゾーン: 交響曲第3番 イ短調 作品56 「不コットランド」     
でした.

楽員が入場してきて,ちょっとびっくりしたのは,NHK交響楽団の主席を長く勤めていたViola の店村眞積が都響の主席に座っていたことです.6月から都響に就任したという紹介がプログラムに載っていました.都響の低弦がいっそう充実することが期待されます.

フィンがルの洞窟は,スコットランド西海岸の波を思わせる主題が繰り返し現れ,洞窟の情景描写にあたる抒情的主題を経て,ダイナミックなコーダで終わります.なかなかメリハリの効いた好演だったと思います.

いわゆるドヴォコンは,説明を要しないでしょうが,グトンはヴェネツィアのモンタニアーナが1734年に制作したチェロを使って実に深みのあるしっとりとした音を響かせて,たいへん好演してくれました.とかく華麗さに流されやすい名曲をたいへん味わい深く聴かせてくれました.

スコットランドですが,創作に長期間を要したため,「スコットランド」の古都エディンバラの標題音楽の趣は乏しくなっていますが,Andante con moto-allegro un poco agitato, Vivace non troppo, Adagio, Allegro vavacissimo- Allegro maestoso assai という緩ー急,急,緩,急ー急の4楽章が,アタッカでひとつながりに演奏されるのですが,特に後半がかなりドラマティックに演奏されました.
個人的には,あまり誇張なく抒情的に演奏されるのを聴くのが好きなので,ウォルフのかなり強弱を誇張した演奏は,少し馴染めないまま終わりました.

ただ,全体としては,都響らしい好演だったと思います. 


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