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サントリーホール:アンデルシェフスキー(pf)リサイタル [音楽時評]

久しぶりに外来演奏家のリサイタルに出かけました.「アンデルシェフスキーは語る」というプログラム内容に,「...具体的に自分たちは日本のために何が出来るのでしょうか?それは日本を訪れて音楽を奏でることで,日本への連帯の意を示すことだと思うのです.」と記述されています.

プログラムは,バッハに始まってバッハに終わるモノでした.                       バッハ:   イギリス組曲第5番 ホ短調 BWV810                                                        シューマン: ペダル・ピアののための練習曲(6つのカノン風小品)op.56  
             ※※※※※※※※                                                                              ショパン:  マズルカ イ短調 op.59-1
              マズルカ 変イ長調 op.59-2                                                 マズルカ  嬰へ短調  op.59-3                                                             バッハ:   イギリス組曲第6番 ニ短調 BWV811                                                 でした.

バッハのイギリス組曲BWV810に始まって,同811で終わる3人の作曲家の作品でした.Program Notes には,これを起承転結と並べていました.

ポーランド人とハンガリア人を両親としてワルシャワに生まれたアンデルシェフスキーは,今日では世界の主要オーケストラ,指揮者と協演し,リサイタルでも各地で賞に輝く活躍を見せており,指揮でも,室内楽でも多面的に活躍している才人です.

この人のピアノは,ピアノを優しく打鍵し,左手と右手のバランスが絶妙にコントロールされて,切々と訴えるモノがありました.

そもそもステージに応接間風の椅子3脚が置かれ,私がホールに入ったときにはアンデスシェフスキーがそこで悠々と日本茶を飲んで寛いでいました.そこからスッと立ち上がってピアノの前の,食卓テーブルに並ぶような椅子に座ってスッとピアノを弾き始めたのには感心しました.バッハの時代のサロンないしロビーでピアノが弾かれる姿を想像してしまいました.

全体に小品を集めた組曲,練習曲,それに同一作品番号の枝番に入ったマズルカという組み立てでしたが,そのどれでも短調にならず,たっぷりとニュアンスを滲ませて好演していました.

アンコールが4曲弾かれましたが,ここでもシューマンの「森の情景」から,第3曲「孤独の花」,第6曲「宿」,第7曲「予言の鳥」,そして最後に, 第9曲「別れ」がどれも静かに好演されました.

「1人で小宇宙を作り出すピアノの魅力」にすっかり魅せられた一夜でした.


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