【論説】東電は福島原発の最終処理方針公表を:[追記] [論説]
東北関東巨大地震から既に10日を過ぎますが,どうも政府と東京電力の対応に大きな疑問を感ぜざるを得ません.
巨大地震が世界に報じられた直後から,アメリカ,ドイツ,フランスから原子力発電の専門家派遣の申し出がありながら,それらがいずれもチェルノブイリやスリーマイル島方式の,廃炉→コンクリート遮蔽であったため,政府と東電はそれらを謝絶したと報じられています.
しかし,周辺地域への放射能汚染の危険性,あるいは原乳や野菜の汚染が報じられる事態になっても,東北に設置した原子炉についてあらかじめ用意されていてしかるべきであった地元電力会社からのバックアップ電源を泥縄で引っ張るのに10日も要しては,それもどこまで使い物になるのでしょう?
ここまで放射能汚染の危険性が広がった状況で,東京電力は多くの人的,物的資源の投入を続けていったい福島第1原発を最終的にどう処理しようとしているのでしょう.
復旧作業という言葉が踊っていますが,復旧(以前の状態に回復する)など誰が可能だと信じているのでしょう.事故直後から米国のマス・メディアは危機(world crisis)の深刻さを連日大きく報じるとともに、日本政府や東電が危機を過小評価しようとしていると批判し,それが日本社会の“隠ぺい体質”に根ざすと疑いの目を向ける分析も少なくないのです.
誰の目にも,海水を投入した原子炉は廃炉が必然的な処理法だとするなら,明らかな選択肢は,福島第1原発の速やかな廃炉→コンクリート遮蔽 しかないのではありませんか!!!
外国紙には,東京電力が既にコンクリート遮蔽の準備を進めていると報じられているのです.
政府主導の演出にのみ熱心な政府や東京電力は,速やかに主体性を発揮して,最終処理方針を明確化すべきですし,その迅速な実行を切望するモノです.
時間や人材,物材を,すべてが想定外だったという不確実性のなかで,いつまでも無用に使い続けるのは,この非常事態には許されることではないはずです.
これを教訓に,早急にやるべき事は,日本中の電力の相互融通システム構築ではないでしょうか. 東西で交流電流のサイクルの違いはありますが,それは技術的に解決可能でしょう. もう1点,東京電力や政府が明確化すべきは,計画停電なるものは文字通り計画的であるべきですから,一体いつごろそれを解消できるのかを情報公開すべきです.
緊急事態は,本来,緊急に解消されるべきモノです. 私はかねて日本経済の支え手として外国人を大量に招聘することを主張していますが,既にダラダラと続けられる日本の緊急事態;深刻化する汚染や先の見えない計画停電に愛想を尽かした在日外国人のエクソダスが始まっていると報道されているのは,まことに残念でなりません.
追 記: 巨大地震後2週間の3月25日夜,管首相がメッセージを読み上げた後,短時間,質疑に応じていましたが,記者の「福島原発をどうするのか?」という質問に,BBC World News は次のような答えを報じていました,
In a televised address, Prime Minister Kan said: "The current situation is still very unpredictable. We're working to stop the situation from worsening. We need to continue to be extremely vigilant." 「状況は未だまったく予測困難であり,今は状況の悪化を止めるのに懸命になっている.さらに大変注意深く警戒を続けなければならない.」 これが一国の首相のまともな答弁といえるでしょうか???
なお,BBC World News のタイトルは, 25 March 2011 Last updated at 11:15 GMT Japan investigation into nuclear plant radiation leak です,
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