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サントリーホール:シャイー指揮ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管 [音楽時評]

3月5日,マチネーでサントリーホールでのリッカルド・シャイー指揮,ゲヴァントハウス管弦楽団のオール・ドヴォルザーク・プログラムを聴きに行ってきました.

シャイーの指揮を聴くのは久しぶりでしたが,まことに着実で,細かな指示も含めて,ダイナミックな指揮を展開して好演を聴かせてくれました.ゲヴァントハウスは250年以上の歴史を持つドイツ最古のオーケストラで,ベルリン,ミュンヘンなどに並ぶドイツを代表するオーケストラです.

プログラムは,オール・ドヴォルザークで,                                  序曲『謝肉祭』 op.92
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53  solist:カバコス(vn)                                           ※※※※※※※※
交響曲第7番 ニ短調 op.70                                                                        でした.

謝肉祭というのはカーニバルのことで,その間は肉断ちをするので,その前に肉,酒を溢れるほど食べ飲むのだそうです.そうした賑やかな光景を彷彿させるきびきびした好演でした.

ヴァイオリン協奏曲は,スラブ地方に没頭した時代の作品で,急,緩,急の3楽章構成ですが.第1楽章のカデンツァから続けて第2楽章に入ります.Allegro ma non troppo - Adagio ma non troppo - Finale: Allegro giocoso ma non troppo ですが,その第2楽章の叙情的なメロディが,ああ,この曲だったのかと思い起こさせてくれる曲ですが,未だ若いレオニダス・カヴァコスが確かなテクニックと音量豊かにたいへんな名演を展開してくれました.                  アンコールにイザイ作曲無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第4番ホ短調op.27-4から「アルマンド」をしっとりと聴かせてくれました.

交響曲第7番は,「新世界」ほどの有名さはないのですが,民族色を薄めたなかにも,オーストリア・ハンガリー帝国に反抗するチェコの民族性が随所に盛り込まれた作品です.             第1楽章 Allegro maestoso,第2楽章 Poco adagio,第3楽章 Scherzo: Vivace - Poco meno mosso,第4楽章 Finale: Allegro の急-緩-スケルツオ-急の構成ですが,第1楽章の民即的音楽挿入は有名です.第2楽章で,ドヴォルザークらしい美しいメロディがふんんだんに導入されており,第3楽章では,ああこの曲だったかと思い出させる特有のリズムが,一貫して現われています.フィナーレでは,対照的な第1,第2主題が提示され,展開されて,最後は第1主題が壮大に反復されて曲を閉じます.                                              ドヴォルザークの作品のなかで,最近,この第7番交響曲の評価が高まっているといわれます.

とにかくシャイーの的確な指揮のもと,いわば絢爛たる音楽が華麗に展開されて,なかなかの名演奏でした.

外来オーケストラがとかくポプラー路線をとるなかで,こうした大作曲家に絞った演奏会を聴かせてくれたことには敬意を表したいと思います.

アンコールがあったようですが,マチネーから18時からのソワレ(紀尾井ホール)に急がねばならなかったため,終演後,1度ステージに迎えたあと,席を立ちました.          


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