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サントリーホール:神尾真由子リサイタル [音楽時評]

11月7日,サントリーホールに神尾真由子のリサイタルを聴きに行ってきました.神尾さんのリサイタルは久しぶりです.                                                                                   彼女は1997年3月、オーチャードホールで、シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団ラロスペイン交響曲」を共演して10歳でソリスト・デビューし,その後,日本の主要オーケストラと協演しましたが,2000年にアメリカのヤング・コンサート・アーティスツ国際オーディションで第1位を受賞。2001年、ボストン、ワシントンでリサイタル・デビューし、ワシントンポスト紙に絶賛されたています.       その後,ヨーロッパのオーケストラとの協演やパリ・ルーブル美術館などでのリサイタルでも絶賛を博し,その将来性を高く評価されていました.                                  その後,確実に欧米で実績を積みながら,2004年6月、国際ヴァイオリン・コンクールのファイナリスト達が競い合う「モンテ・カルロ・ヴァイオリン・マスターズ」で優勝、同年9月オイストラフ国際ヴァイオリン・コンクールにおいても優勝を飾り,2007年6月には第13回チャイコフスキー国際コンクールで優勝して一躍世界の檜舞台に躍り出たという経歴の持ち主で,現在はスイスに本拠を置いて,国際的な活躍を展開しています.                                         サントリーホールで明日は庄司紗矢香さんのリサイタルがありますが,ほぼ同年代で現在人気を分け合っているといってよいでしょう.庄司さんは聴く予定はありませんが,明日はオール・ベートーヴェンで,なかに今日と同じ「春」を含んでいますから,聴き較べた方はお教えいただければ幸いです.

今日のプログラムは,                                               チャイコフスキー:なつかしい土地の思い出 作品42                            チャイコフスキー:憂鬱なセレナード 作品26                                     ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ第5番 へ長調 作品24 「春」                             ※※※※※※※※                                                                       ブラームス:   ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ短調 作品102                      でした.

神尾真由子のヴァイオリンの音色はビロードに例えられますが,2008年のNew York Times のReview を見ますと,                                             Judging by her recital at Zankel Hall on Monday, the 21-year-old Japanese violinist Mayuko Kamio is standing on the gilded threshold.            Virtuosity is abundant these days, and musicians conquer Everest-like technical hurdles with calm insouciance. Ms. Kamio, another talent from the seemingly bottomless well of noteworthy young female violinists, certainly had technique to burn as well.                                                But on Monday she was distinguished by her warmly luxurious, buttery tone and long, seamless phrases.

今日は,前に聴いたときより音色がいっそう柔らかで美麗に聴こえました.時々見られたバリバリと弾きまくるところがなくなって,曲の始めから終わりまで,まことにビロードのフレージングが聴かれました.ベートーヴェンの「春」そしてブラームスの第3番ソナタ,いずれも絶品でした.とりわけブラームスは陰翳のある曲ですが,見事に表現していました.

アンコールは3曲で,エルガー;愛の挨拶,クライスラー;美しきロスマリン,    チャイコフスキー;
  ワルツ-スケルツォ でした.

とにかく次の機会がさらに大きな楽しみになりました.

 

  

 


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