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武蔵野文化小ホール:ゴルカ(pf)リサイタル [音楽時評]

9月12日,武蔵野文化小ホールに,アメリカ・テキサス州出身(ポーランド系の両親から1980年生まれ)のアダム・ゴルカのピアノ・リサイタルを聴きに行ってきました.                                

ゴルカのホームページの紹介に,次のように書かれています.Adam Golka is the winner of two of America's most prestigious pianistic awards: the 2008 Gilmore Young Artist Award and most recently the 2009 Max I. Allen Classical Fellowship Award of the American Pianists Association.とあります.今年話題になったCliburn などまるで眼中になかったようです.                                        
その他に,今夜のプログラムには,16歳で第2回上海国際ピアノ・コンクール優勝者とあります.

そのように早くから注目を集めたピアニストだけに,もうほとんど完成形で見て良いのでしょうが,今夜のプログラムは,                                                                   ベートーヴェン:  ピアノ・ソナタ 第13番 変ホ長調 op.27-1 (有名な「月光」の1つ前) 
ショパン:      幻想曲 ヘ短調 op.49                       
R.ダニエルプア: ピアノのための幻想曲「いつかわたしがこの世を去るとき」                       ※※※※※※※※   
シューベルト:   ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D.845 
J.シュトラウスⅡ世: 美しき青きドナウ  (A.シュルツ=エプラー編)         
でした.

たいへんピアノを良く鳴らすピアニスト,完璧な技巧の持ち主です.その分,演奏には奥行きがあって,ベートーヴェンのソナタ第13番を,緩-急,急,緩,急の4楽章構成を緊張感と充実感を持って聴くことが出来ました.強いて挙げれば,ペダルを多用しすぎていたのではないか,間を取りすぎていたのではないかという小さな疑念が湧きましたが,良くいえば個性溢れる演奏だったというべきなのでしょう.

ショパンの幻想曲は,ショパンにしてはやや堅すぎたように思いました.                         次のダニエルプアは,アメリカの現存の作曲家ですが,それほど奇を衒ったところがなく,素直な曲でした.

私はこの数年シューベルトのピアノ曲に強い関心を持っているのですが,今夜の第16番はたいへん充実した演奏で,最晩年の19~21番に連なる転機に立つ曲と思いましたが,凄まじいばかりの力演を聴かせてくれました.

「美しき青きドナウ」は技巧に溢れた編曲ですが,ゴルカは軽々とそしてメロディ豊かに奏でてくれました. 

今夜のプログラムの構成意図がいまひとつ明瞭ではありませんでしたが,今後の成長が大いに期待される大物ピアニストが出現したことを喜びたいと思います.  


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