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【論説】トリトン・アート・ネットワークへの疑念 [論説]

今夜からシューベルトの三大歌曲集連続演奏会が王子ホールで始まっています.
これは3夜をまとめて書いた方が良いと思いますので,ここでは最近感じたトリトン・アート・ネットワークへの疑念について書いてみたいと思います.

これまでSQW(String Quartet on Wednesdays)を運営してきたこの第一生命ホールのNPO運営母体が,ちょっと驚くような案内を送付してきました.内容は,

(1)SQW のWをWednesday からWeekends のW に変える.
(2)そして,これまでご常連の4つの団体による月1回の8回シリーズ ”ガレリア”の外に,短期2週間の主として週末を使って,特定の外国カルテットをCuratorとして招き,Quartetの250年をQuartet Kaleidoscope (四重奏万華鏡)として一望するQuartet 特別展(6回連続演奏会)”フェスタ”をSQWとしてやる.
(3)これだけの宣伝の上に,新たに全部を通した「オールシーズン券(全14回券!)」 5,6月2週間の「フェスタ券(6回連続券)」,そしてガレリア8回シリーズのための「定期券(8回連続券)」の区分とし,これまでの一般,シニアの区別をなくして,それぞれ
①オールシーズン券(全14回券)は1回当たり2000円の28000円,
①フェスタ券(6回券)と定期券(8回券)は,いずれも1回当たり2300円でそれぞれ13800円と18400円,
以下はシニア,ヤングの区分を設けて,
③別に回数券3(任意の3回分)は一般9900円とシニアが7200円,
④そして単独券は一般が3500円,シニアが2500円,ヤング(25歳未満)が1500円,
にそれぞれ設定する.

以上の通知,案内にいくつもの疑念が生じました.まず,
(1)Wednesdays →Weekends でWeekends の解釈が日本的曖昧さにまみれて使われている点,すなわち,実際には木曜,金曜,月曜(祝日)がスケジュール化されており,どうしても Weekends (本来,金曜日の夜から月曜日の早朝までを意味する)と主張するのは納得し難いことです.そんな人を欺くような無理をしてまで何故 SQW を SQWに変えなければならなかったのかが少しも説明されていないのです.
(2)なぜ異質なものを抱え込んでまで,14回シリーズとしなければならなかったかが理解しがたいのです.14回シリーズは欧米のオーケストラでは決して珍しいことではありませんが,それは日本と違って,オペラやオーケストラ通いが一種の社交の機会となっているからで,それの乏しい日本では,10回を超えるシリーズ券は例を見ません.
(3)空間芸術や文献資料で用いられるCurator を時間芸術,再現芸術で用いるのは不可思議です.特定のQuartetをCuratorとして招き,Quartet Kaleidoscope (四重奏万華鏡)として一望するQuartet 特別展をやるというのは,空間芸術と時間・再現芸術の差違を理解しない物まねの使い方としかいいようがありません.何故そんな失礼な表現を使うのでしょう.QuartetはCurator ではなくPerformerであって,如何に再現芸術を再現するかの能力・資質が厳しく問われなければなりません.
(4)フェスタ6回券のフェスタ券,ガレリア8回券の定期券(なぜガレリア券とは呼ばないのか不明)が単価が同じなのは納得しがたい点です.常識的には回数が増えるほど単価が安くなるはずで,現に,シリーズ券14回券が一番安価な設定になっています.
(5)トリトン・アート・ネットワークのチケットカレンダーがホームページ上に掲載されていますが,それによればフェスタもガレリアも何の説明もなくSQW#--と通し番号で掲載されており,SQWのWをWednesdays と思い込んできたフアンには何の説明もされておらず,ひどく分かり難い表示です.こんないい加減なSQW→SQWはまさに昨年の「年」を象徴する言葉「偽」そのものです.
この際,SQWははっきり打ち切って,フェスタ,ガレリア両シリーズに峻別すべきではないでしょうか.せっかくのチケットカレンダーがSQWのうちフェスタは2月20日発売としながら,その他のSQWは未定としているのは,他のコンサートの発売予定が既に6月,9月,12月と埋まっているだけに,たいへん理解に苦しみます.
(6)送られてきたSQW08-09チケット発売のお知らせ!はひどく分かり難くて不親切に出来ています.SQW→SQWの「偽」は繰り返しませんんが,オールシーズン券,フェスタ券,定期券(?),回数券3,単独券の価格が1表に表示されながら,注書きに,フェスタ以外の単独券発売は後日連絡するとあり,ガレリア単価は分らないままです.
(7)SQWの開催される2月6日水曜日提出用に特別先行発売専用申込書が添付されていますが,それは中央に上下の切り取り線が入っていて,ほぼ同じ事を2度書いて,上部を自分の控えにするようになっています.
この場合,回数券3と単独券の希望者は希望の日にちと公演名を2度書かねばなりません.上演日が列記されていてチェックを入れればよいという親切さは欠落しているのです.
さらに皆が「ご希望に添えないことがあります」と書かれたのを承知で座席の希望を2度書かなければなりません.
提出者は2月20日までにチケット代金を振り込めとなっていますから,座席が気に入らなくとも断りようがありません.一部のプレイガイドは同様の扱いですが,一部には気に入らなければ成立した予約を放棄できることを考えると,NPO法人として,商法人と何処が違うのだろうと疑問を覚えます.
NPO法人としての特定商取引法に基づく表示では,振込みによる支払い方法として,銀行振込みと郵便振替が並記されていますが,ここでは郵便振替しか書かれていません.これはトリトン・アート・ネットワーク側の確認の便のために不当に制約したとしか思えません.

先日から何度もお問い合わせメールをしたのですが梨の礫なので,ここに公開して,皆様からご意見をお聞かせいただければ幸いです.


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